DeNA・筒香 難病と闘う少年と男の約束「優勝争いと本塁打王争い」へ「しっかり戦うだけ」

[ 2019年6月4日 05:30 ]

DeNA・筒香は交流戦でも活躍を誓う
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 今年で15年目を迎える「日本生命セ・パ交流戦」が、4日にパ・リーグの本拠地6球場で開幕し、5年ぶりに優勝を争う方式で行われる。DeNAは筒香嘉智外野手(27)が自身の大ファンで、愛知県内の病院で仙骨ユーイング肉腫の病気と闘う少年との約束を果たすために、4年連続で勝ち越しのない交流戦で勝利を呼び込む活躍を誓った。

 ペナントの行方を大きく左右する交流戦。14年を最後に勝ち越しから遠ざかっているが、最近10試合を6勝4敗と上り調子で迎えるだけに、筒香の表情にも自信がにじんだ。

 「今年は今年なので関係ない。今のままいければいい戦いができるはずだと思います」

 4月には10連敗などを喫したが、5月に持ち直し、借金6の4位タイにいる。交流戦は4年連続で勝ち越しがないが、ここまでチームトップタイの打率・311、11本塁打、31打点の主砲は「相手も同じことなので言い訳にならない。プロとしてしっかり戦うだけ」と語気を強めた。

 男と男の約束を果たすためにも、立ち止まるわけにはいかない。自身の大ファンで愛知木曽川リトルシニアで投手を務める西川嵩悟(しゅうご)さん(14)が、昨年末から仙骨ユーイング肉腫と闘っていることを知った。現在は、愛知県内の病院で放射線治療と陽子線治療に挑んでいることを聞くと、5月下旬の名古屋遠征中に「互いに頑張ろう!!」とメッセージを書き込んだバットとサイン入り手袋を贈った。知人を通して受け取った西川さんが「治療を頑張って、病気が良くなったら秋に横浜スタジアムまで応援に行きたい。優勝争いと本塁打王争いが見たい」と目標を定めると、筒香も「そうなっていられるように頑張ります」と応えた。

 パの本拠地では1カードで1試合程度、DHで起用される見込みだが、4番は不動だ。交流戦で白星を積み重ね、実りの秋へ上昇を続ける。(町田 利衣)

 ≪西川さん「僕も頑張る」≫西川さんは野球を始めた小学1年から筒香ファン。ナゴヤドームに足を運んでも、筒香のグッズを身にまとって声援を送っていたという。理由は「ライトへ放つ特大本塁打が格好良い。筒香選手より凄い打撃をする選手はいない」とべたぼれだ。届けられたバットを「一生の宝物。僕も頑張ります」と病院のベッドのそばに置き病気と闘っている。

 ▽仙骨(せんこつ)ユーイング肉腫 腰椎と尾骨の間にある仙骨に発生する肉腫。骨粘膜や皮膚などの上皮組織に発生する悪性腫瘍を「がん」、骨や軟骨、筋肉や神経などの非上皮組織に発生する悪性腫瘍を「肉腫」と区別して呼ばれる。ユーイング肉腫は主に小児や若年者の骨などに発生し、小児に発生する骨腫瘍では骨肉腫に次いで2番目に多い。

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