阪神・秋山“心の手術”で平成最後の白星「気持ちがボールに乗った」

[ 2019年5月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8-3広島 ( 2019年4月30日    甲子園 )

4回無死一塁、打球を指差す秋山(撮影・北條 貴史)
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 阪神・秋山拓巳投手(28)が平成最後となる30日の広島戦(甲子園)で7回3安打無失点の力投を見せ昨年6月7日以来、327日ぶりの白星をつかみ「平成最後の勝利投手」となった。

 平成に、そして1球に、悔いを残さない。「気持ちがボールに乗った」。生まれ変わった秋山が、気力を尽くし、白星をつかんだ。

 「梅野と悔いのない球をしっかり投げていこうと(話していた)」

 序盤から上ずるボールを必死に抑えた。時折、ワインドアップからセットポジションに変更しフォームも修正。何度もマウンドでジャンプし、脱力した。最大のピンチだった7回2死一、二塁では代打西川を二ゴロ。終わってみれば三塁を踏ませることなく力と心で93球を投げ抜いた。

 昨年10月、シーズン中から慢性的な痛みがあった右膝の手術を受け初めて体にメスを入れた。入院中のベットで未来に思いを巡らせていた。だから、術後、球団広報から報道陣に送られた「野球人生の分岐点になる」とのコメントには、強い決意を込めていた。

 「今までは体のアドバンテージがあって、プロでもやれていた部分があってケアとかは全然してなかった。でも昨年、膝を痛めて。何かを変えないと、このままで終わってしまうと思って…」。1メートル88、95キロの恵まれた体格を生かし、故障知らずでプロ9年間を戦ってきた。しかし、一つ綻びが出ると脆さがのぞくことを痛感。そこで道標となったのは先輩たちの背中だった。

 「福留さん、鳥谷さん…。長くやられている方は体のケア、準備をされている。そこが僕に足りないものだった。手術して体の準備も変わってくる。これから長い野球人生にするために、人間的にプラスに変わればと思って“分岐点”になればと。自分の中では“心の手術”と思っています」

 1月中旬。ブルペン投球後に首をかしげる姿が目立ち「膝が全然、良くならない。本当にこれから上がっていけるんかな」と弱音も吐いた。それでも“沈黙”を続ける膝に自費で購入したマッサージ器を当てながら、上昇を信じてきた。今季2度目の登板で分岐点から前に進めた。

 「ナイターもうちだけだったので、勝てば平成最後の勝利投手の名が残ると思ってたので、残せてよかった」

 17年に12勝した右腕が「平成最後の勝利投手」となり、チームは3連勝で最大6あった借金も1に減った。秋山がローテに加わり、チームは、1日から新元号となる「令和」での5月反攻に向け大きな弾みがついた。

 「1勝だけじゃ、ダメなので。ここからもっと一生懸命やる」

 この1勝が合図だ。時代は変わる。そして、秋山拓巳も変わる。(遠藤 礼)

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