オリックス山崎福也安定感抜群 642日ぶり勝利

[ 2019年4月24日 06:30 ]

オリックス・山崎福也投手
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 オリックスの次世代スターを発掘する当コラム。第14回目は山崎福也投手を取り上げる。

 4月13日の西武戦で、止まっていた時計の針がようやく動き出した。先発東明の後を受けて4回から登板すると、そこから4イニングを無安打無失点に抑えて今季初勝利。完封勝利を収めた17年7月10日の日本ハム戦以来、642日ぶりの勝利となった。「去年悔しい思いばかりしたし、中継ぎですが1勝できてよかった」。少しはにかんだ笑顔が印象的だったが、この1試合だけ特別に良かったわけではない。

 目立たないが、今季の安定感は本当に半端ない。開幕から無失点投球が続き、8試合目の登板となった21日の楽天戦まで1点も失わず。14回連続無失点で、その間、被安打はわずかに2本だった。失点の場面も不運で、右翼中川が茂木の打球を果敢に前進し、後逸したことで三塁打となったことが要因。それでも1点でしのぐのは成長の証で、誰が見ても安定感が光っている。

 もちろん、偶然ではない。昨夏から取り組んでいる様々なトレーニングの成果だ。山崎福は投球の変化について、「変化球も違うが、スピードガン以上に真っすぐの打者の反応が違う」と肌で感じている。打者を押し込む力強い直球が軸。昨年の秋季練習で、就任したばかりの中嶋2軍監督に付きっ切りで指導を受け、背中を反らさない投球フォームに改造。その他にも細かいチェックポイントをいくつか設けており、「中嶋さんに教わったことを、自分の中で継続できていることが大きい」と話す。

 きっかけもあった。昨夏に知人を介して、菊池雄星と話をする機会があった。練習内容を伝授されたわけではないが、「あれだけすごい人でも、こんなに練習するんだと確認できたことが大きかった」という。そこからは自らを追い込むために、限界ギリギリの練習メニューを設定。「1人だと限界まで追い込めなかったりする。トレーナーの方には本当に感謝しています」と、妥協を許さない練習量で追い込んだ。オフには米アリゾナで自主トレーニングにも励んだ。「2週間、米国でやって自分を追い込めた。他の人に負けないぐらいやったという自負があります」。偶然、覚醒したわけではない。そこには裏付けとなる猛練習があったわけだ。

 変化は2月のキャンプで普通に出た。球速も140キロ台後半まで10キロ近くアップ。「始めたばかりの去年はあまり感じなかったが、年を越して、キャンプに入って、“あれっ?”と思いました。こんなに変わるのかな」。去年までの姿はない。おそらく、他球団の打者も、イメージを変えるのに苦労しているだろう。高山投手コーチは「コントロールも良いし、何よりテンポが良い。自分の間合いで投げられている」と高評価。今やブルペンに不可欠な存在となった。

 現状は、先発が崩れた際のロングリリーフが主な役割だが、これだけの安定感は、もっと生きる場所があるだろう。例えば「オープナー」は個人的に面白いと感じる。メジャーで主流となった「オープナー」は、中継ぎ投手が初回を投げ、通常の先発投手につなぐ戦法。日本ハムやDeNAが今季試している戦術だ。オリックスが採用する動きはないが、山崎福には可能性を感じてしまう。15年入団のドラフト1位だ。まだまだ、秘めた力はある。
(当コラムはスポニチホームページで不定期連載中)

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