阪神 ドラ1近本&ドラ3木浪 開幕相手ヤクルトに名刺代わりの安打 矢野監督も評価

[ 2019年2月24日 05:30 ]

オープン戦   阪神3―8ヤクルト ( 2019年2月23日    浦添 )

9回1死、木浪は左中間二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 プロ野球のオープン戦が23日に沖縄県内でスタートし、阪神はヤクルト戦(浦添)に3―8で敗れた。それでもドラフト1位・近本光司外野手(24=大阪ガス)と同3位・木浪聖也内野手(24=Honda)の新人コンビが劣勢ムードの中でもそれぞれ安打を放ち、開幕戦の相手にしっかりと“ごあいさつ”した。

 5点劣勢の9回1死、かなり敗色濃厚の中で木浪が1ボール2ストライクから2年目右腕・大下のカーブを左中間へ二塁打。2死となり近本が2―2からのフォークボールを右前打した。そのまま試合には敗れたが、売り出し中の新人2人がオープン戦初戦でしっかりと結果を出した。

 木浪「いつもより緊張していたんですけど、最後に結果を出せたのはよかった。レフトフライだと思っていたんですけど抜けてくれたのでよかったです」

 近本「結果が出たことより、やりたいことができたのでよかった。最後の打者にならないのが大事。何点差で負けていてもという気持ちでした」

 さすが社会人出身だ。Hondaでも大阪ガスでも、初顔合わせの人にはしっかりと挨拶をしろ――と教わってきたはず。プロ初対戦で、しかも開幕でぶつかるヤクルト相手となれば、名刺代わりの一打は放っておきたかった。

 6回に代打から出場した木浪は近藤のスライダーに右飛だったが、9回の左中間二塁打で実戦の連続安打を6に伸ばし、その間も計15打数7安打の打率・467。中日の井本直樹スコアラーは「少ないチャンスでも結果を出せる。最初の方に比べて変化球を逆方向に打つのが増えてきた」と警戒度を日に日に高めている。

 4回の守備から途中出場の近本も7回の打席では石山のスライダーに遊飛でだったものの、9回は木浪にしっかり続いた。一、三塁から二塁へスタートを切ったが記録は「盗塁」ではなく「進塁」とされたが、持ち味は発揮した。

 負けじと近本も実戦6試合で16打数5安打の打率・313と高数字。走攻守で外野のレギュラー争いの中心に座っている。

 矢野監督も粘りの姿勢を高評価する。「最後の近本と木浪は、追い込まれてから何とか対応して打った。最後の、あの点差の、あの展開の中で、粘っていけるのはすごく大事なこと」。指揮官にとっては対外試合に初めて負けた一戦が、オープン戦黒星スタートにもなったが、それ以上にルーキーズの収穫が笑顔にしてくれる。あくまでも前哨戦。1か月後の開幕3・29には、しっかり“ツバメ返し”を決めてみせる。

(長谷川 凡記)

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