巨人・菅野リベンジ完投 開幕戦の悪夢払しょく「必死にやった」

[ 2018年4月21日 08:38 ]

セ・リーグ   巨人8―2阪神 ( 2018年4月20日    甲子園 )

完投勝利を飾り、マウンドで小林(左)と笑顔をみせる菅野
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 絶対エースがリベンジで完全復活だ。巨人の菅野智之投手(28)は20日、阪神戦に先発し、2勝目を今季初完投で飾った。阪神には3月30日の開幕戦(東京ドーム)で自己ワーストの12安打を浴び、5失点で今季初黒星。甲子園に場所を移しての再戦は6安打2失点に抑え、無四球で113球を投げ抜いた。

 外寄りの149キロ直球に、福留のバットは動かなかった。見逃し三振でリベンジを果たしたが、菅野の表情も動かなかった。

 「福留さんにいいようにやられた。もう一回やられたらプロとして恥ずかしいので、必死にやりました」

 5回の先頭でやってきたこの日2度目の対決。「(小林と)しつこくいこうぜ、と話をしていた」と明かす。外角に3球、内角に2球、さらに外角に1球。スライダーを6球続けた。そしてフルカウントからこん身の1球で仕留めた。2回の第1打席もスライダー2球で追い込み、4球目の内角への148キロ直球で二飛に打ち取った。

 開幕戦では福留に先制ソロを含め3安打。全て直球を打たれた。「野球人生で一番、いいように打たれた」と話すほどの屈辱だったが、やられた球できっちりやり返した。13年のプロ入り以降、阪神戦では同じシーズンで2度負けたことがない。同じ轍(てつ)を踏まないところに、日本を代表するエースと呼ばれる理由がある。

 小林とは「いろんなボールを使わず、シンプルにいこう」と話していた。5回1死で糸原にフォークを使うまで、カーブ2球を除き、直球とスライダー系の球だけを使った。調整もシンプルだった。初勝利を挙げた13日の直前4日間は投げ込みを続けたが、この日までの1週間で投げ込みは18日に一度だけ。しかも30球に満たない確認程度のものだった。「1週間で(状態が)劇的に変わることはない」と信念を曲げず、甲子園に乗り込んだ。

 2点を失ったが、今季初完投。高橋監督も「1試合をきっちり投げ切るのは、エースとしてらしさが出てきている」と称えた。2年連続の沢村賞を目指す菅野の目標は高い。「200回、10完投を目指しているので」。今季はまだ4試合を終えたばかりだ。 (池田 翔太郎)

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2018年4月21日のニュース