阪神・掛布2軍監督 ラスト采配は甲子園 異例のサヨナラゲーム開催へ

[ 2017年9月12日 05:47 ]

阪神の掛布2軍監督
Photo By スポニチ

 阪神が10日に退任を発表した掛布雅之2軍監督(62)のために甲子園での「さよならゲーム」の開催を調整中であることが11日、明らかになった。ウエスタンリーグのラスト2試合となる27、28日の広島戦の開催球場を、当初の鳴尾浜から甲子園に変更する予定。一人でも多くのファンの声援とともに、背番号31を送り出す。

 聖地・甲子園で、猛虎のレジェンドを送り出す。そのために、球団は鳴尾浜開催としてウエスタン・リーグに届け出ていた27、28日の広島戦の使用球場を、甲子園開催に変更するプランを進行中であることが判明した。四藤慶一郎球団社長が構想を明かした。

 「27、28日のウエスタンの最後の2試合で甲子園が使えそうなので、ファンの方にたくさん来てもらえるようにということで。前向きに調整中です」

 最大限の配慮に至った最大の理由は、収容人員だ。2軍本拠の鳴尾浜球場は収容人員が約500人。通常の公式戦でさえ席が埋まる状況で、掛布監督が指揮を執るラスト2試合となれば、席不足が必至。そこで甲子園を活用する。2軍戦開催時の甲子園は、ネット裏と一、三塁内野席を使用し、それだけでも鳴尾浜の約20倍の約1万人の収容が可能。さらに集客の状況次第では、アルプス席などの使用も検討するという。天候不良となる可能性も踏まえ、2日間おさえる予定だ。

 そんな球団の配慮に対し、掛布監督は「最後の2試合は甲子園開催を調整していると球団から聞いた時は、ありがたいことではありますけど、複雑な思いもありました。甲子園というのは1軍の戦う舞台であり、私は2年間戦った鳴尾浜で終えるのがふさわしいのではと考えたのです」と恐縮。その上で「一方で、退任が発表された10日の試合も多くの人に鳴尾浜に足を運んでもらいながら、収容人員の少なさから球場に入りきれない様子を見て、申し訳ない気持ちになりました。ファンの目とともに選手を育ててきたという自負もありますし、最後は一人でも多くのファンとともに選手を見守れればこんなにありがたいことはありません」と謝意を示した。

 四藤社長が「これまで(ウエスタン・リーグ公式戦を)場所を変えて開催したことは、ないかもしれない」と話す異例の措置。基本的に通常試合として開催する方針だが、掛布監督のあいさつなども検討中という。最大限の敬意を表して、背番号31を送り出す予定だ。(惟任 貴信)

続きを表示

2017年9月12日のニュース