侍・山田 「1番・DH」出陣!世界一奪回へトリプルスリー男が突破口に

[ 2017年2月25日 06:20 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2017年2月24日    宮崎市・宮崎県総合運動公園 )

フリー打撃で快音を響かせる山田
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 3月開催の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪回を目指す侍ジャパンの基本オーダーの骨格が24日、固まった。小久保裕紀監督(45)は初実戦となる25日のソフトバンクとの練習試合(サンマリン宮崎)のオーダーを公表。「1番・DH」には、2年連続トリプルスリーの山田哲人内野手(24)を起用する。チームの得点力アップへ、パワーとスピードを兼ね備えたリードオフマンが突破口を開く。

 「トリプルスリー男」が侍の先陣を切る。初実戦で、小久保監督から与えられた役割はチャンスメーカーだ。ソフトバンクとの練習試合に「1番・DH」で先発する山田は、室内練習場で取材に応じ「(盗塁は)走れれば走ります。危険だからやめとくではなく、隙があればいったろうと。その気持ちは忘れたくない」と力強く言った。

 史上初の2年連続トリプルスリーを達成した山田を1番に据えた打線は迫力が違う。稲葉打撃コーチは「出塁率ですよね。本塁打もあるし、塁に出れば盗塁もある。1番がいきなりトリプルスリーだと向こうも慎重になる」と狙いを説明する。

 ヤクルトでは走者を還す主軸を担う。昨季は1番での出場はなく、3番で97試合、4番で36試合に先発出場した。だが、各球団のクリーンアップが集まった侍ジャパンでは、山田に求められる役割は違う。その自覚は、この日のフリー打撃に表れた。典型的なプルヒッター(引っ張り専門)だが、打球の8割以上が中堅から右方向に飛んだ。「普段は引っ張ってばかりだけど、国際大会では右打ちとか考えないと世界一は獲れない」と、長打へのこだわりは捨てている。

 打撃の状態も「鶴の一声」で上向きつつある。フリー打撃中に稲葉打撃コーチに「調子が悪い時はフォームを気にして固まってしまう。手に少し遊びがあった方がヘッドも利くんじゃないか」と助言を受けてから快音を連発。「力の入れ具合。僕は手を動かしてタイミングを取るので。実際そうだったなと」と納得の表情を浮かべた。

 出塁すれば、2年連続盗塁王に輝いた自慢の快足が生かせる。山田は鮮明に覚えている光景がある。前回WBCの2次ラウンド・台湾戦。1点を追う9回2死一塁で鳥谷の二盗成功が、井端(現巨人内野守備走塁コーチ)の起死回生の同点適時打を引き出した。「いざ自分があの場面で立ったら走れるかなと。動くのは怖い。あの走塁のおかげで勝ったと思う。改めて大事だなと」と走塁の重要性を強調した。

 同じ二塁には菊池がいるため、本戦でもDHで先発起用される可能性は高い。だが、謙虚な姿勢で逆境を乗り越える力が山田にはある。「メジャーで投げている選手も青木さんから聞いて頭に情報をしっかり入れたい。(DHでの出場が多い)内川さんに話を聞いてみたい。経験者から話を聞くことが大事だから」。本番では青木と1、2番コンビを組むことが予想される。日本が誇る万能プレーヤーが国際舞台でも輝く。 (平尾 類)

 ≪1番通算267試合、打率.307&46発≫山田(ヤ)は先発1番で12年から15年まで通算267試合に出場。打率.307、46本塁打、140打点の成績を残している。昨年の先発打順別試合数は3番が97試合で4番が36試合。公式戦で最後に1番に座ったのは15年7月7日巨人戦となっている。なお、山田は高卒1年目の11年に中日とのCSファイナルステージ2〜4回戦に先発1番で出場。11月5日の4回戦では4打数2安打1打点。高卒新人でプレーオフ、CSでの安打、打点はともに山田が初めてだった。

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