【強化試合総括】「滑るボール」「硬いマウンド」課題解消できず

[ 2016年11月14日 11:15 ]

侍ジャパン強化試合 ( 2016年11月13日    東京D )

<オランダ・日本>最終戦で初安打を放った山田の構え

 【強化試合総括】侍ジャパンの小久保監督は強化試合を前に「投手はボールとマウンドへの対応を見たい」としたが、滑るWBC使用球と硬いマウンドへの対応という課題は解消できなかった。打撃陣は得点こそ重ねたが、細かく動くボールを駆使するタイプの投手には苦戦した。

 ネット裏のあるメジャー球団のスカウトが証言する。「初戦のメキシコは9人継投で日本を5安打に抑えた。この結果は日本のもろさを証明している」。動く球に苦労するだけでなく、初見の投手攻略に時間がかかる。「弱点を知った以上、各国は本番でも同じゲームプランで来るだろう」と続けた。稲葉打撃コーチは「足を高く上げる打者は対応に苦労している。外国の投手はテークバックがきれいではない。タイミングを取ろうとしても、なかなか取りきれない」と話す。足を高く上げて振り抜くタイプの山田、中田は体調面を考慮しても、力強い打球は出なかった。

 巨人でもプレーしたメキシコのエドガー・ゴンザレス監督は「スカウティングリポートで研究してきた」と、筒香、中田、山田らには極端な守備シフトを敷いた。本大会でも2次ラウンドで対戦する可能性のあるオランダ関係者は「日本の情報はどこにいても入手できる。40人前後の特徴は分かっている」と話す。日本は丸裸にされている。

 オランダのヘンスリー・ミューレン監督は「WBCが始まった06年当時より、出場各国の差は詰まってきている」と言った。小久保監督も「昨年のプレミア12の時から感じている。名前のない選手だからと安心することはできない」と表情を引き締めた。本番まで残り4カ月。自主トレ期間中に選手が何を考え、対応能力をどう高めるか。上積みなくして、世界一奪回はなし得ない。(代表担当キャップ・倉橋 憲史)

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2016年11月14日のニュース