巨人 逆転Vへ奥の手 守護神・沢村“回またぎ”火消し解禁

[ 2016年8月23日 05:30 ]

巨人の沢村

 巨人は23日から本拠地に8ゲーム差を追う首位・広島を迎える。強力打線封じの奥の手として、今季ここまで勝ち試合では1イニング以下の起用のみだった守護神・沢村拓一投手(28)の「回またぎ」を解禁。1敗でもすれば広島に優勝マジックが点灯する大事な3連戦で、先発ローテーションも組み替えて逆転優勝への意地を見せる。

 まさに崖っ縁。一戦も落とせない首位・広島との直接対決。勝利の方程式もバージョンアップして、逆転優勝へ希望をつなぐ。

 台風9号の影響で暴風雨に見舞われた川崎市のジャイアンツ球場。先発投手練習を見守った尾花投手コーチが、決戦での沢村の「回またぎ」について「当然、あるでしょう。勝ちにいくしかない。勝つようにいくだけ。一戦必勝。それしかない」と口にした。ここまで49試合に登板し3勝2敗、リーグトップの33セーブを挙げ防御率1・63の守護神。今季は回をまたいで投げたのは4月3日の広島戦(マツダ)と同9日の中日戦(ナゴヤドーム)の2度で、いずれも同点の延長戦だった。

 セットアッパー・マシソンの「回またぎ」は珍しくないが、勝ち試合での守護神のフル回転プラン。前回の広島3連戦の悔しさを沢村は忘れていない。連勝でゲーム差を4・5まで縮め、迎えた7日の3戦目。9回2死から菊池に同点ソロ、新井にサヨナラ打を浴びて逆転負けした。倍返しの雪辱を誓っている。

 優勝の行方を大きく左右する3連戦。先発ローテーションも変更した。「うちは勝ち続けるしかない。上位3人でいく」と尾花コーチ。あえて中8日を空けたマイコラスが初戦で、中7日の菅野、中5日に間隔を詰めた田口を並べる。勝てば外国人投手新の15連勝となるマイコラスは「広島だからという特別なことはなく、やるべきことをやるだけ」。菅野は「意識はしています。でも、0点に抑えるとかピッチャーとしての役割は変わらない」と意気込んだ。

 10勝8敗でセ・リーグで唯一、広島に勝ち越し。3連勝で今季勝ち越しが決まるが、何よりもセの灯を消すわけにはいかない。 (春川 英樹)

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2016年8月23日のニュース