台湾出身のドラ7呉念庭 空席続く“レオのショート”に名乗り

[ 2016年8月23日 10:00 ]

遊撃の定位置獲得なるか?11日の日本ハム戦から9試合連続で遊撃のスタメンで起用され続けている西武・呉念庭

 プロ野球のペナントレースは終盤戦へと突入している。現在、5位に低迷している西武。遊撃のレギュラーの固定という開幕前からの課題はいまだ解決できていない。外崎、鬼崎、金子侑らを起用したものの、定位置をつかむまでには至っていない。「なかなかそこが固まらない」と嘆く田辺監督。現役時代は名遊撃手として西武の黄金時代を支えた指揮官が嘆いているというのは皮肉な状況だ。

 だが、一筋の光明が見え始めた。ドラフト7位ルーキーの呉念庭(ウーネンティン)は8月9日に1軍に昇格すると、11日の日本ハム戦(札幌ドーム)から9試合連続で遊撃のスタメンで起用され続けている。14日のオリックス戦(西武プリンス)でプロ初打点をマークすると、18日のソフトバンク戦(京セラドーム)でも6回に勝ち越しの2点適時打。3試合連続で勝利打点をマークし、チームを2カ月半ぶりの3連勝に導いた。

 台湾出身で、高校から岡山・共生に留学。鹿児島にある第一工大に進学し、夢だった日本のプロ野球の門を叩いた。父親は台湾プロ野球・中信兄弟エレファンツの呉復連監督。現役時代は台湾代表で二遊間を守った台湾のスター選手だった。現在、台湾では日本のプロ野球が数多く放送されているそうで「父はいつも僕が出ている試合の映像を見てくれていて、週に2回ぐらいは電話でアドバイスをしてくれるんです」と言う。

 第一工大では二塁手だったが、西武のチーム事情からプロ入り後に遊撃手に挑戦することになった。「高校時代にやったことはあるんですけど、大学4年間で一度も守ったことがないんです。難しいポジションなので毎日が勉強です」。現在はオリックスでプレーする中島がメジャー挑戦で退団してから「レオのショート」のレギュラーは空席が続いている。「チャンスだと思っています。とにかくアピールしたい」と呉念庭。内野の要を任せられる存在に成長できるかどうか。西武の背番号「39」に注目したい。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2016年8月23日のニュース