常総学院・鈴木昭 亡き恩師にささげた423球「悔いはない」

[ 2016年8月19日 05:30 ]

<秀岳館・常総学院>4強入りならず、頭を下げて甲子園を後にする常総学院・鈴木昭

第98回全国高校野球選手権大会準々決勝  常総学院1―4秀岳館

(8月18日 甲子園)
 常総学院の鈴木昭はネクストバッターズサークルで試合終了を迎えた。「もう高校野球は終わりかあ」。相手の校歌を聴きながら自然と笑っていた。「悔しいけど、やりきったから悔いはないです」と言い切った。甲子園で4試合目。連投の疲れもあって2、3回にソロを被弾。4回から右翼守備に回った。「抑えられなかったからせめて打つ」。0―2の5回は左前適時打を放ち、2安打1打点で意地を見せた。

 今年2月、小学3年から所属した永国東ジャイアンツ時代のコーチ・飯田基之さん(享年58)が死去。甲子園観戦を楽しみにして闘病生活を送っていたという。「凄いお世話になった人。飯田さんのためにも頑張りたい」。誓いを胸に今大会計423球を投げた。

 この日は母・広江さんの46歳の誕生日。白星を贈れず「勝ちたかった」とやっぱり悔しがった。進路はプロも視野に佐々木力監督と相談して決める。「悔しさは上のステージで晴らしたい」。甲子園の土を持ち帰るのを忘れて「みんな分けて!」と叫んで笑いが起きた。左腕は爽やかに聖地を去った。 (青木 貴紀)

 ◆鈴木 昭汰(すずき・しょうた)1998年(平10)9月7日、茨城県生まれの17歳。小1から美浦ブレーブスで軟式野球を始める。土浦四中では土浦霞ケ浦ボーイズに所属し、3年時に全国大会準優勝。常総学院では1年秋からエース。1メートル76、77キロ。左投げ左打ち。

 ▼常総学院・中村(1―2の6回、茨城大会から無失策の遊撃手が連続失策で追加点を許す。13年ぶりの4強を逃し)自分のせい。申し訳ない。

続きを表示

2016年8月19日のニュース