菅野5並び白星 5月5日以来の5勝目、由伸G初の5連勝

[ 2016年6月4日 05:36 ]

<巨・日>5回1死一、二塁、3ランを放った坂本(右)を笑顔で迎える菅野

交流戦 巨人5―4日本ハム

(6月3日 東京D)
 交流戦無敗の進撃だ。巨人の菅野智之投手(26)が3日、日本ハム戦で7回を1失点と力投し、約1カ月ぶりの白星となる5勝目を挙げた。7回に失点し連続自責点なしは32イニングでストップしたが、走者を背負いながらも粘りの投球で9奪三振。打線も坂本勇人内野手(27)の12号3ランなどで久々にエースを援護し、チームは今季初の5連勝。首位・広島に0・5ゲーム差に迫った。

 1点を失った7回。ベンチに戻った菅野はぶ然としていた。121球を費やし、降板は濃厚。4点リードを保っていたが、エースとしてどうしても許せなかった。

 「今日は“完投しないといけない義務がある”と思っていた。最低でも(自分が)8回と。僕の仕事はそこまで(考えて)しないといけない」

 それでも、菅野は今季の進化をパ・リーグ相手にも初回から見せつけた。2死一塁。「凄くいい打者」と評していた同学年の4番・中田への初球。菅野は首を振った。選んだのは今季、圧倒的な力をつけた直球。真ん中高め148キロにバットは空を斬った。4球全て直球勝負。最後も146キロで空振り三振に封じた。

 日本ハムには昨年6月10日(札幌ドーム)に初対戦し、7回3失点で敗戦投手となった。試合後は「もっと攻めないといけなかった」と悔やんだ。1年ぶりの対戦。昨季まで多投していた「スライダーのマークがきつかった」と感じたが、今季は圧倒できる直球がある。「こういう投球もできるというのを見せたかった」と力勝負で勝った。

 「交流戦は一つのヤマ場。データが少ない。自分のピッチングが必要になってくる」。より自分の力を出すために、調整法を変えた。登板2日前の1日、ブルペンで63球投げた。今季は開幕から一度も登板間にブルペン入りしなかった。「確認したいことがあった。ここ2試合、立ち上がりがうまくいってなかった」。投球フォームの上下のバランスを再確認した。

 5月5日の広島戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりの勝利で5勝目。6月に入っても防御率は驚異の0点台(0・61)を維持する。阿部、内海らベテランの活躍に続き、盤石のエースで今季初の5連勝。高橋監督も「調子はそんなに良い方じゃなかったが、ゲームをつくってくれた。素晴らしい投手ですね」とその安定感に舌を巻いた。

 1点差の9回には沢村が2死満塁のピンチを招きながらも切り抜けた。「沢村さんはずっと抑えてくれていた。(完投できず)申し訳ない気持ちがあった」。菅野は、最後までエース道を貫いていた。(川手 達矢)

 ▼巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(観戦。終盤で球場を後にし)5点だと言うことないよね。(菅野は)相変わらず良いね。

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