“風使い”DeNA久保康 古巣斬り2勝目 マリンで学んだ投球術

[ 2016年6月4日 05:30 ]

<D・ロ>星空のように光るスタンドを見ながらお立ち台に上がる久保

交流戦 DeNA2―1ロッテ

(6月3日 横浜)
 かつての「マリンの風使い」が、同じく海が近い横浜スタジアムで風を操った。1軍に戻ってきたDeNAの久保康が、7回2/3を6安打1失点で2勝目。お立ち台では金曜日のナイターで詰めかけた2万8330人の注目を集めた。

 「序盤から風があってボールが動いてくれたので、やりやすかった。どんどん順位を上げたい」

 この日、横浜は10メートル近い強風が吹いた。球場は本塁方向から中堅方向の打者に有利な「追い風」。だが初回にマウンドに上がり「向かい風」を浴びた久保康は懐かしさを感じた。05年のプロ入りから4年間所属したロッテの本拠地で通算16勝のQVCマリンは海のある中堅方向から本塁方向に吹く海風がバックネットにはね返って投手に吹きつける。この状況ではツーシーム、チェンジアップなど変化球が大きく動くことを知っていた。

 7回2/3までに奪った23アウト中、変化球で実に19のアウトを取った。6回1死二塁のピンチでもデスパイネ、ナバーロをツーシームで抑えた。借金を1に減らし、4位タイとなったラミレス監督も「(久保康は)変化球を織り交ぜた素晴らしい投球だった」と褒めた。

 開幕から自身3連敗。4月27日の中日戦(横浜)で今季初勝利を挙げたが、石田、今永、砂田ら若手を優先的に登板させて成長を促すチーム事情で2軍に落ちた。それでも腐ることなく、フォームを見直し「いい練習ができた」と言う。負ければ3連敗の正念場で、ベテランが輝いた。 (山田 忠範)

 ▼DeNA・梶谷(3回先頭で23打席ぶりの安打となる右前打)素直にうれしかった。チームも勝ててよかった。

続きを表示

この記事のフォト

2016年6月4日のニュース