金本監督1勝!2安打の横田にゾッコン「漫画の主人公みたい」

[ 2016年2月22日 05:30 ]

<ヤ・神>初勝利を飾った金本監督(左)は横田らを迎える

オープン戦 阪神5―1ヤクルト

(2月21日 浦添)
 阪神・金本知憲監督(47)は21日、ヤクルトとのオープン戦初戦(浦添)を5―1の快勝で飾った。今春1軍初抜てきで連日指導してきた横田慎太郎外野手(20)が決勝の先制打を含む2安打1打点の活躍。一時は当落線上をさまよいながら、対外試合3試合連続マルチ安打で“1軍完走”が当確。「見ていて本当に面白い」と勝利よりも教え子の成長を喜んだ。

 試合に勝ったという事実よりも、心を揺さぶられた。ヤクルトとのオープン戦初戦。2安打1打点と奮闘した横田の姿に、金本監督は思わず目を細めた。

 「見てて本当に楽しいね。漫画の主人公に出てきそうなタイプでね。食らい付く姿勢もあるしね。他の打者も見逃し三振もある中でね。横田もしたけどね。実戦向きというか、練習で出てこないものが実戦で出るタイプかなと。本当に楽しみ」

 4回2死一塁。下手投げ山中との対戦で初球カーブをフルスイングでとらえた。瞬く間に右中間を破った先制の適時二塁打。初陣勝利を呼び込む快音の裏に魅力が存分に詰まっていた。

 「真っすぐを待っていたんですが、反応で打つことができました」

 セオリーからしても、初球の緩いカーブを打って出ることは難しい。実際に狙いは直球だった。片岡打撃コーチから連日指導される「しっかりトップをつくって、ボールとの距離を取る」ことができたから球速104キロの遅い球を、体勢を崩すことなく呼び込めた。高い身体能力と、いわゆる“野性味”がなせる業だ。2回、原から放った中前打も最初の2球で追い込まれながらフルカウントまで粘り、最後は8球目の直球を仕留めた。

 「とにかく結果を出さないといけない。打たなければ(2軍との)入れ替えがあると聞いていますので。金本監督と片岡コーチに毎日教えてもらっている。早く結果を出したいし、ちょっと出たのはうれしい」

 11、14日の紅白戦2試合では計5打数1安打。16日から始まった第4クール中の結果や内容次第では2軍降格の可能性もあった。16日の楽天戦で2安打1本塁打し、前日20日の同戦でも再び2安打。対外試合突入とともに急上昇し、1軍キャンプ完走は当確だ。

 「最後の3打席は内容が悪かったので、また修正したい」

 好結果に浮かれず、3打席目以降の凡退を課題として持ち帰った。9回の中堅守備では左翼の中谷と交錯する場面も…。20歳の大器。実戦になれば練習とは見違え、この先の成長も読めない。だから、金本監督も「楽しみ」と強調する。漫画の世界から飛び出しそうなスター性に今後も要注目だ。 (森田 尚忠)

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2016年2月22日のニュース