坂本 由伸巨人1号130メートル弾 ミスターお触り効果「右足にため」

[ 2016年2月15日 08:10 ]

紅白戦の3回2死二塁、坂本は高橋監督(奥左)の見つめる中、左越え2ランを放つ

巨人紅白戦 白組2―7紅組

(2月14日 サンマリン宮崎)
 軸足に全神経を集中させる。右足が土に食い込むほど体重を乗せた。巨人・坂本は考えていた。

 「結果はどうでもいい。右足にため(をつくり)ながら打ちにいこう」

 紅白戦の3回2死二塁。高木勇のスライダーを引きつけ、軸回転で引っ張った。左翼席中段に運ぶ推定130メートル弾。宮崎での1次キャンプ最終日に、主将が「由伸巨人1号」を放った。

 前日、キャンプ地を訪れた長嶋茂雄終身名誉監督から熱血指導を受けた。右の太腿を何度も叩かれ、軸足に意識を置くようにフォームを矯正。それは、今キャンプを通じて取り組んできたことだった。午前8時過ぎからの早出特打では、右足一本で立って素振りするなど、軸足の使い方に重点を置いてきた。

 初回の第1打席は投ゴロに倒れたが「練習でやってきたことができなかった」と、第2打席ですぐに修正した。「試していることが、実戦で結果が出た。ホッとした」。坂本の一発は長嶋氏が球場を後にした直後に飛び出したが「優勝して恩返ししたい」という強い気持ちも結果に表れた。

 主将2年目。13日の練習前、地元テレビ局が木の花ドームで生中継を始めた。気付いた坂本がアナウンサーの後ろで、テレビカメラにピースサイン。「生放送だ」とナインもざわつき始める。高卒2年目の岡本が先輩たちにカメラ前に押しやられると、ダンス&ボーカルユニット「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」が踊るランニングマンを披露。室内練習場は爆笑に包まれた。坂本の明るい性格は、チームにも好影響を及ぼしている。

 15日に2次キャンプ地の沖縄に移動する。高橋監督は「中心選手が自覚を持ってやってくれている。紅白戦1号が坂本で良かったですね」と目を細めた。練習の最後はマウンドに円陣を組み、その真ん中に坂本が立った。「実戦が増えていきます。優勝できるように頑張っていきましょう!」。主将が音頭を取り、三本締めで打ち上げた。 (神田 佑)

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