投手大谷にメジャー全30球団来る!11日韓国ロッテ戦で米初登板

[ 2016年2月11日 05:30 ]

韓国・ロッテ戦先発に向け調整する大谷

 日本ハム・大谷翔平投手(21)が今春初登板する10日(日本時間11日)の韓国・ロッテ戦に、大リーグのスカウトが大挙押し寄せることが確実となった。9日(同10日)、メジャー関係者が全30球団が集結するとの見通しを語った。米国でも二刀流選手として注目を浴びるが、特に最速162キロを誇る投手としての評価は高い。北海道から8700キロも離れたキャンプ地・アリゾナが「大谷祭り」の会場と化す。

 肌を刺す日差しを浴びながら、投手としての米国デビューを控えた大谷は笑顔を浮かべた。

 「いい調整、いい練習ができている。それを形にしていきたい。やる以上は打たれたくない。それにプラスして、試合の中でしかできないことを消化していく」

 気負いはない。余裕さえ感じられる。二刀流4年目。我が道を進む中、アリゾナ入りから日を追うごとに周辺が騒がしくなっていることには気付いている。米国で最も権威のある野球専門誌「ベースボール・アメリカ」(電子版)が特集記事を掲載し、MLB公式サイト「MLB.com」からは単独取材を受けた。

 今春初マウンドに立つ韓国・ロッテとの練習試合では、米球界の注目を一身に浴びることになる。あるメジャー関係者は「30球団全てが大谷に興味を示している。たくさんのスカウト…少なくとも50~60人は集まるのではないか」と予想した。

 近年、大リーグ球団は超大物を獲得する際、直接の担当ではないスカウトも含めてクロスチェックするのが一般的となっている。普段は高校生や大学生を見るアマチュアスカウトや他地域担当の国際スカウト、マイナーリーグを見るプロスカウトらからも意見を集めることで、GMら補強の最高責任者がより正しい決断を下すことができる。「OHTANI」をこの機に、より多くの目で見届けることが“近い将来”の備えになる。

 大谷が打者として出場した8日(日本時間9日)の韓国・ロッテ戦を、カブスは4人体制で視察していた。そんな周囲の熱気を、大谷は「(注目されることは)この職業をやっていたら嫌いじゃないんじゃないですか」と真っ正面から受け止める。栗山監督も「野球の本場に来て、その姿を見てもらえることは素晴らしい。少しでもいい選手だと思ってもらえたらうれしい」と話した。

 キャンプインから大谷はブルペンに3度入っているが、全力投球はなかった。「今できる100%の力を出したい。テーマは真っすぐ。直球を狙ってスイングしてくる中で、どうやって押し切れるか。芝も球場もきれい。今年最初の先発なので楽しみ」。祭りの舞台は整い、世界が注目する主役がその中央に歩を進める。 (横市 勇)

 ≪投打ともスゴイ!≫

 ☆1日 キャンプ初日にブルペンで40球。力をセーブした「脱力投法」だったが、パドレスのアンディ・グリーン監督は「腕の振りがスムーズ。現役時代のカート・シリングを思い出した」と、通算216勝右腕を引き合いに出して称賛した。同監督は翌2日も視察。

 ☆4日 フリー打撃で59スイング中20本の柵越え。パドレスのトレバー・ホフマンGM特別補佐は「大谷くらいの才能があれば(投打の)両方でやれる」。同球団のマーク・ロレッタ・ベースボールオペレーション特別補佐も「投手だけに専念させるのはもったいない」と話した。

 ☆6日 レッドソックス、カブスなどメジャー8球団のスカウトが紅白戦を視察。大谷は空振り三振、二ゴロ併殺打と2打数無安打だった。

 ☆8日 韓国・ロッテとの練習試合で初回に左前打。13球団、20人以上のスカウトが視察し、ジャイアンツのジョン・コックス環太平洋スカウトは「“ネクスト・ダルビッシュ”。性格も米国の雰囲気に合っている」。投打二刀流についても「可能性はゼロではない」とした。

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