【キヨシが行く】150キロ超えざらの投手陣…松坂は出番あるかな?

[ 2016年2月10日 11:45 ]

ソフトバンクキャンプを視察し松坂(左)と話す中畑氏

 アイビースタジアムの通路でばったり、大輔(松坂)に会ったよ。「一緒にやりたかった」と言ったけど、苦笑いだったね。14年のオフにはDeNAも松坂争奪戦に加わった。縁はなかったけど日本球界でマウンドに立ち、その価値を高めていってほしいと願うよ。

 きょう見た感じだと顔つきが少し、シャープだった。「このままでは絶対、終われない」というプレッシャーを感じる表情にも見えた。ただ、使ってもらえるか、不安にもなった。DeNAで用具担当だった入来(祐作)が、2軍の投手コーチになったと聞き、B組(2、3軍)のブルペンへ行ったけど育成の吉本だっけ?150キロを軽く超える投手がざらにいる。「大輔、大丈夫か…」と心配させられた。絶好調でもどうかなと。それだけ若手に力がある。

 チームに層の厚さ、元気の良さ、競争意識。勢いを感じさせる。追いつくチームが出るのか。追い越すのはさらに大変だ。1年目の工藤監督は落ち着いていたし、試合度胸があった。ヘッドコーチを置かないのも今の野球じゃ珍しい。新しい監督のスタイル。「工藤野球」は確実に浸透した。今年、勝てば本物になる。勝つと思うけどね。

 昔、あったね。巨人包囲網。相手球団は常にエース格をぶつけてくる。それをやられても勝ち抜くだけの力を感じる。巨人のV9の状況をこの時代に体現できているし、V9の夢さえ感じる。憎たらしいほどの力だ。

 昨年6月3日、横浜スタジアムのスコアボードを破壊した柳田には「トリプルフォー(打率4割、40本塁打、40盗塁)を」と言った。「とてもじゃない」と本人は言ったけど、打たれた三浦は死にそうな顔だった本塁打を「詰まった」なんて言うんだ。この男ならやれると思わせてくれる。期待したい。 (DeNA前監督、本紙評論家)

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2016年2月10日のニュース