ラミレス監督 2番梶谷構想「20本塁打、100得点十分にできる」

[ 2015年11月14日 11:00 ]

奄美大島の青空を背に来季の目標「80勝」を掲げるラミレス監督

 ソフトバンクが球団初の2年連続日本一を達成して迎えたオフ、プロ野球では5球団で新監督が誕生した。すでに新体制で秋季キャンプに臨んでいる指揮官が、何を考えてチームづくりを目指しているのかを聞いた。第1回はDeNAのアレックス・ラミレス新監督(41)。秋季キャンプ中の鹿児島・奄美大島で、今季不動の3番だった梶谷隆幸外野手(27)を2番で起用する攻撃的オーダーのプランなどを明かした。 (聞き手・平尾 類)

 ――13年オフにDeNAを退団以来、監督として2年ぶりに戻ってきた感想は。

 「凄くうれしく思っている。選手でプレーしていた時から、監督をやるならこのチームだろうなと。選手と常につながりを感じていた。“いつかラミちゃんが監督になってくれたら”と言葉を頂いたこともモチベーションになった。引退した後もテレビでDeNAの試合を見続けていたしね」

 ――球団から監督打診を受けた時は。

 「現役時代から池田球団社長や高田GMと良い関係を築けていたし、安心して自分の考えを伝えられた。現役を(14年に)退いてから、DeNAをどうすれば首位と位置づけられるチームに変えていけるか考えていた。自分もプレーしていたし、チームの潜在能力、選手の良さは分かっている。このメンバーで優勝できると思っている」

 ――秋季キャンプでは技術的な助言をせず、個々の選手を観察しているように見える。

 「オリックスで巡回アドバイザーをしていた時に一緒にやっていた小川さん(1軍打撃コーチ)は知識を持っている。坪井さん(1軍打撃コーチ)も凄いキャリアがある。まだ現段階で自分が選手にアドバイスすることはない。2人の打撃理論を信じているし、いい仕事をしてくれると思う」

 ――理想の野球は。

 「打線は2、3人を代えるぐらいで、できれば60%は固定したい。選手は自分の役割を知りたいと思う。例えば筒香は4番。自分も現役時代に4番で固定され、何を求められるか意味を知っていた。選手たちの役割を明確にしたい。宿舎で夕食後、監督室に選手を一人ずつ呼んで期待する役割を説明している」

 ――今季は規定投球回数に到達した投手がいなかった。

 「いい救援陣がいるし、先発は6~7イニングを投げきることが重要。特に山口、井納は期待している。2人ともエースになれる存在。2人で計25勝はすると信じている」

 ――新人で大活躍した守護神・山崎康は。

 「大きく期待している。40セーブ。それ以下は何も望んでいません」

 ――打線ではリーグ優勝したヤクルトがリーグトップの574得点に対し、DeNAは508点。この差は1、2番を固定できなかったことが要因に思える。

 「その通り。一つの方法として梶谷を3番から2番に固定する考えがある。3番を誰にするかという問題が解決できればいい方法かなと思う」

 ――ヤクルトは首位打者の川端を2番に置いて成功した。

 「得点力を上げるためにも、2番は打線のキーパーソンになる。安打を量産できるタイプの打者がいい。梶谷は首位打者を獲得できる能力がある。20本塁打、100得点も十分にできる」

 ――石川や主軸のロペスに求める役割は。

 「石川はリードオフマンとして期待している。梶谷が2番にいれば(投手が勝負してきて)いいボールを待てるからやりやすいと思う。ロペスは3、5番のどちらかに置くのか難しいが、3番にいれば後ろに筒香がいる。ロペスもよりいいボールを選べる。いろいろ考えて打線を組みたい」

 ≪2番打者固定がカギ≫今季両リーグでそれぞれ2番をもっとも多く打った12人のうち、2番で打率3割以上は川端(ヤ)、中村晃(ソ)と優勝チームの2人。川端は2番での犠打がわずか2とセの残り5チームの2番が2桁を記録している中で異彩を放った。DeNAでは36試合の白崎を筆頭に12人を起用しており、シーズンを通して固定できなかった。

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