楽天 コボスタ宮城に観覧車 日米初の試み、来年5月にも完成

[ 2015年11月14日 07:50 ]

左中間スタンドの後方に「公園席」を新設し、その中に観覧車が新設されるコボスタ宮城

 夢いっぱいのスタジアムへ――。楽天が本拠地・コボスタ宮城に観覧車を新設することが13日、分かった。球団が進める「ボールパーク化構想」の中、来季開幕に合わせて導入する内外野天然芝に匹敵する目玉で、早ければ来年5月に完成する。チームは2年連続最下位ながら、観客動員は年々増加。巻き返しを狙う来季も多くのファンに足を運んでもらうため、魅力ある球場づくりを進める。

 家族や恋人と観覧車に乗りながら、野球観戦する。そんな夢のような世界がコボスタ宮城で実現する。ここ数年、和室席やピクニック席を設けるなど、本拠地のボールパーク化を推し進めてきている楽天の関係者は「来季はさらに東北のファンの方々が楽しめ、誇りに思えるような球場にしたい」と話した。

 今オフ、球団は来季の開幕に向けて内外野を人工芝から天然芝に張り替え、大型ビジョンを全面改修するなど総額30億円の大改修を行う方針。左中間には「公園席」の新設を予定し、観覧車はその中につくられる。高さはビルの12階に相当する36メートル。16のゴンドラや脚はLED照明で飾られ、本塁打を放った際などに光の演出も行う。公園席を開幕直前に完成させた後に観覧車の工事に入り、5月完成を目指す。

 現在、プロ野球、メジャーリーグ計42球団の本拠地で観覧車がある球場はない。米マイナーリーグのバーリントン(エンゼルス傘下)が小型のものを置いている例があるだけ。遊園地のランドマーク・観覧車の設置で、景観は「ボールパーク」そのものとなる。ゴンドラに揺られながらグラウンドの熱戦を見下ろせば、天然芝や土のにおいとともに格別の雰囲気を味わえそうだ。子供からお年寄りまで全世代が楽しめる球場へのバージョンアップで東北のプロ野球はより盛り上がる。

 今季、チームは2年連続で最下位に沈んだが、球団職員の営業努力もあって、主催試合の観客動員数は過去最多だった昨季を更新する152万4149人を記録した。梨田新監督を迎えて巻き返しを狙う来季も、地元のファンの後押しは必要不可欠。ボールパーク化推進で、観客動員の大幅アップを目指していく。

 球団は公園席については、命名権を公募する方針。観覧車設置も加わって話題性も高いことから、地元企業だけでなく、全国からオファーが殺到する可能性もある。

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2015年11月14日のニュース