球数気にしないヤクルト中村の大胆リード“四球OK”作戦

[ 2015年10月17日 09:50 ]

<ヤ・巨>ピンチの場面で館山(左)のもとへ向かう中村

セ・リーグCSファイナルS第3戦 ヤクルト2-0巨人

(10月16日 神宮)
 0―0の4回2死三塁。村田を迎えた打席。ヤクルトの捕手・中村は館山の元に向かい、穏やかな表情で語りかけた。「四球でもいい。絶対に甘くならないでください。全球勝負球でいきましょう!」と言った。館山は5球連続で内角シュートを投じ、1球フォークを挟んで、最後はフルカウントからスライダーで左邪飛に仕留めた。

 1点が重い短期決戦。四球を出せば大量失点につながる恐れもあるが、ピンチで中村は逆に大胆だった。「村田さんの後は8番、9番にいく。たとえ満塁になっても0点に抑えればいい」。第2戦でも小川が2回1死二、三塁から7番の井端に四球を与えたが、後続を断っている。

 中村にとって参考になる試合があった。12日のパ・リーグCSファーストSでロッテ・涌井が日本ハム相手に6回1/3を投げ143球を要したが、勝利を呼び込んだ。「凄く丁寧に投げていた。ウチは強力な救援陣がいる。先発は5回、6回で終わってもいいから、どんなに球数を使っても0に抑える意識」を再確認した。2試合連続完封の裏には、投手に安心感を与える中村のリードがあった。(倉橋 憲史)

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2015年10月17日のニュース