エディーみたい!?和田の兵法 今季初2番今成4安打で首位燕撃ち

[ 2015年9月21日 05:30 ]

<神・ヤ>お立ち台で(左から)福留、岩田とおどける今成

セ・リーグ 阪神8-1ヤクルト

(9月20日 甲子園)
 阪神は20日、勝てば優勝へのマジックナンバー点灯の可能性があった首位・ヤクルトを8―1で破り、ゲーム差を1に縮めた。下位低迷のDeNAに連敗して戻ってきた本拠甲子園で和田豊監督(53)はオーダーを変更。今季初めて2番に置いた今成亮太内野手(27)が4安打と当たった。優勝の可能性を残す上位4チームでは、18日の巨人、19日のヤクルトに続く「独り勝ち」となった。

 2連敗中の閉塞(へいそく)感を、今成の快音が打ち破った。昨年9月12日の広島戦以来となる2番に抜てきされると、初回1死の初打席で、山中の初球を捉えた。

 ライナーで左翼へはじき返すと、バレンティンが打球をグラブではじく失策の間に二塁を陥れた。チャンスメークし、福留の左中間適時二塁打で先制のホームへ。続くゴメスには左中間席への2ランが出た。負ければ自力優勝がなくなる正念場での3点先取。和田監督は「最初の今成のヒットがね。あれで風が吹き始めた」と大絶賛だ。

 打線に勢いを与えただけでなく、今成自身にも弾みが付いた。2回は5点目の右前適時打。5回には左前打、8回にも8点目の左前適時打と止まらなかった。13年7月7日の広島戦以来で自己最多の4安打。得点能力が上がってきた3~5番につなぎ、2番打者として抜群の働きを見せた。

 和田監督の用兵がズバリとはまった。今成は前日のDeNA戦は5打数無安打。3打席は走者を置いて凡退した。にもかかわらず、6番から2番への昇格を決断。すると、これまで得点圏打率・203だったのが、2本の適時打を打つのだから野球は分からない。ラグビーW杯で南アフリカを撃破した日本代表は、エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)が送った交代選手がことごとく機能した。甲子園にも似た「神風」が吹いた。

 今成はお立ち台で、チーム随一の明るいキャラを全開にしてファンを喜ばせた。「これまで得点圏で打てず温かいヤジをありがとうございました。自分は燃えるので、もっとヤジってください!」。同じ頃、ベンチ裏では、17日に父・繁樹さんを亡くして横浜遠征から外れていた山脇外野守備走塁コーチがウイニングボールを渡されて「明日も勝って、おやじを喜ばさんとな…」と目を潤ませていた。笑いあり、涙ありの1勝。藤浪先発の21日に連勝すれば、首位タイに並ぶ。

 ▼阪神・ゴメス(約1カ月ぶりの本塁打を放った前日に続く16号。今季2度目の2戦連発)いいスイングができた。打球もいい感じで伸びてくれた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月21日のニュース