山崎康、与田超え新人新32S 9回ピシャリ「CS進出します」

[ 2015年8月21日 06:08 ]

<D・ヤ>ファンの前で記録更新ボードを手にする山崎康

セ・リーグ DeNA2-1ヤクルト

(8月20日 横浜)
 DeNAの山崎康晃投手(22)が20日、ヤクルト戦で今季32セーブ目を挙げ、新人投手のプロ野球最多セーブ記録を更新した。1990年に与田剛(中日)がマークした記録に並んでいた「ハマの小魔神」は9回に2三振を奪うなど、打者3人で片付ける完璧な投球を披露した。

 球場内での記者会見を終えたDeNA・山崎康の姿をガラス越しに見つけたファンから「ヤスアキ」の大合唱が起こった。名実共にチームの顔だ。1点リードの9回から登場すると、大引、武内を空振り三振、中村も139キロツーシームで遊ゴロと危なげなく新人最多セーブ新記録の32セーブを達成。母・ベリアさんが涙を流して見つめたお立ち台で「たくさんの皆さんが応援してくれるおかげで(記録を)更新できた。ウイニングボールはお母さんにあげます」と声を張り上げた。

 帝京3年時にプロ志望届を出したがドラフト漏れ。恩師の前田三夫監督は「体の線が細かった。(同校卒の大田)阿斗里(現DeNA)や伊藤拓郎(元DeNA)と比べたらスケールは半分にもいかない。足が速いからセンターも考えたが打力がなかった」と振り返る。だが、心の芯の強さは誰にも負けなかった。亜大進学後は体重が15キロ以上増量。勉学も怠らず、教員免許も取った。「食べるのが苦手だから苦労したと思う。勉強も苦手でリポートから逃げていた子が教職まで取って…。たくさん教え子がいるけど、彼の心の強さは勉強させられた」と教え子への敬意を口にした。

 新人離れしたずぶとさがある。新人最多セーブタイ記録を達成した翌19日、試合前に練習着をグラウンドに忘れ三嶋が「ヤスのです」と苦笑いを浮かべていた。中畑監督も「別格だね。他の投手と違う雰囲気がある。(今オフは)給料がどこまでいくんだろうな。お母さんと相談するよ」と冗談交じりに絶賛したが、大記録も通過点にすぎない。「出てきたら勝てないと(相手に)思われる投手を目指したい。もっともっと勝ってCSに進出します」。22歳の守護神は次を見据えていた。(平尾 類)

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