「日米通算」肯定的に…米メディアの意識を変えたイチローの凄さ

[ 2015年8月21日 12:00 ]

15日の試合でカッブを超える日米通算4192安打を放ち声援に応えるイチロー(AP)

 マーリンズのイチロー外野手が日米通算安打数で「球聖」タイ・カッブの安打数を超えた。その日米通算記録について、主だった米メディアはこう報じた。ESPN電子版は「イチローの偉業を語る上で、日本の記録を含めることは賛成である」として、カッブの時代は8球団で、チーム間に実力格差があったことなども併記した。FOXスポーツも、最初からメジャーでプレーしていたら歴代安打記録を更新していただろうとの見方を紹介した。

 イチローが08年に日米通算3000安打を達成した時ですら、どこか日本メディアを米国の番記者が冷ややかな目で見ていたことを覚えている。「何で記者がこんなに大挙して来るんだ?そんな大きな記録なのか?」と現地取材で番記者に聞かれたりもした。

 当時、レッドソックスの名捕手、バリテックが話していた言葉を思い出す。米メディアに日米通算記録について聞かれた時だ。「合算を認める、認めないでイチローの価値が変わるわけではない。メジャーの舞台で今、誰よりも安打を打っているだろ。日本と米国の安打ペースを比べてみればいい」。今でこそ、イチローの安打ペースは落ちた。メジャー通算では、1安打に要する打数は3・16打数。オリックス時代の2・83打数を下回っている。だが、当時はほぼ同ペースだった。さらにバリテック氏は「前の試合で抑えても、次の日に同じ攻めは通用しないんだ。それがイチロー。日本の野球のレベルの高さ、適応力の高さが分かる」と続けた。

 「日米通算」はあくまで参考記録だ。だから合算の是非はあまり意味がない。ただ、イチローという偉大なプレーヤーを表現する上で、通算記録は物差しとなる。バリテック氏の当時の言葉と、今回の米メディアの報道は重なって感じた。それも、イチローがメジャー15年にわたって、故障なくプレーし、安打を積み重ねてきた歴史が、米メディアの意識を変えさせたのだと思う。

 メジャー歴代最多安打の4256安打を誇るピート・ローズ氏はこれまでも通算記録については否定的な発言を繰り返してきた。自らの記録に肩を並べた時にローズ氏はどんな形でイチローの足跡を祝福するのだろう。楽しみである。(倉橋 憲史)

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