阪神“鬼門”で3連敗…尻に火0・5差 今季の巨人戦負け越し決定

[ 2015年8月21日 05:30 ]

<巨・神)>9回1死満塁、呉昇桓は坂本にサヨナラ打を許しガックリ引き揚げる

セ・リーグ 阪神1―2巨人

(8月20日 東京D)
 屈辱、醜態、そして最後はサヨナラ…で3連敗した。阪神は20日の巨人戦に1―2でサヨナラ負け。宿敵の自力Vを消滅させようと乗り込んだ東京ドームで、逆に一気に0・5ゲーム差まで接近を許した。そして今季の巨人戦の負け越しも決定。東京ドームでは2勝9敗とまったく勝てず、今回も初戦が1安打負け、2戦目が球団ワーストの1イニング12失点と散々だった。

 坂本の放ったライナーが遊撃・鳥谷の頭上を越えて左中間へ。サヨナラ負け…。意地と意地がぶつかり合った2時間59分だったが、3たび阪神が敗者となった。3タテを食らって0・5ゲーム差に迫られた和田監督は落胆の色を隠せなかった。

 「そこにいくまでの過程でエラーもあった。あそこまでが精いっぱいという判断だった」

 最終9回の攻防を悔やむ。1―1で迎えた9回、藤浪は死球、みずからの失策、そして安打で無死満塁。指揮官には藤浪を続投させて、藤浪と心中するという策も確かにあった。いや、しかし、中5日のマウンドで141球はもう限界にも映っていた。選択したのは守護神の投入だったが、さすがの呉昇桓をしても酷な場面だった。片岡を一飛で1死は取ったが、2人目の坂本は抑えられなかった。

 ゲームセットの瞬間に目が向いてしまいがちだが、敗因を突き止めれば打てない打線にある。福留が3安打したものの、4番のゴメスが急ブレーキで3度の得点機でことごとく凡退した。無得点に終わった8回の攻撃が勝負の分岐点の一つだった。

 鳥谷が1死から四球を選ぶ。大和には送りバントの指示で2死二塁。ここで二塁打→本塁打→二塁打と大当たりだった福留は敬遠で歩かされての4番ゴメス勝負だったが、空振り三振。「まず孝介の前に1度しか走者を出せなかったんだけど、4番が打てなかったから仕方がない。(福留の敬遠は想定内?)もちろん。基本的にゴメスは菅野に対して悪くないからね。きょう(20日)は打てなかったけど」

 確かに試合前まではゴメスは、今季菅野に対して8打数3安打(打率・375)という相性の良さ。何より目の前で福留敬遠を目の当たりにさせられる4番のプライドにかけたが、結果的には裏目にでてしまった。

 巨人に勝てない。対戦成績は7勝13敗となり、5試合を残して早々に今季の負け越しが決定した。それも、東京ドームでは2勝9敗。かつてナゴヤドームを「鬼門」と呼んだように、イヤなデータがのしかかる。次回9月22、23日の2連戦は、今以上の大一番となる可能性すらある。果たして、打開策はあるのか。和田監督はあえて気持ちの部分を強調した。

 「全力を尽くした結果だから。こんなんでへこたれてはいられない」

 巨人の強さを嫌というほど見せつけられた3連戦。残り5試合の直接対決はチャレンジ精神で立ち向かう。(森田 尚忠)

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