36年ぶり偉業にあと2!西武・秋山 歴代3位31試合連続安打

[ 2015年7月13日 05:45 ]

<日・西>8回、この日3本目の安打を放つ秋山

パ・リーグ 西武0-10日本ハム

(7月12日 札幌D)
 西武の秋山翔吾外野手(27)は12日、日本ハム戦の4回に左前打を放ち、連続試合安打記録を歴代3位タイの31とした。左打者では最長記録で、長池徳二(阪急)が持つパ・リーグ記録の32に王手。高橋慶彦(広島)が持つプロ野球記録の33まで、あと2試合と迫った。さらに6回と8回にも安打を記録し、今季20度目の3安打猛打賞。偉業達成へ勢いは加速した。

 いつものように温和な口調だった。だが、チームが負けた悔しさは隠せない。秋山はバスに乗り込む直前、「難しいですね…」と一呼吸置き、しっかりと話した。

 「どういう展開でもやることは変わらない。試合展開でモチベーションを下げるようなことはしたくない。チームが負けているので、それ以上はないですね」

 4回先頭の打席だ。そこまで3イニングはメンドーサに完全投球を許していたが、143キロ直球を詰まりながらも打ち返した。内角球をコンパクトに振り抜き逆方向の左翼線へ。果敢に二塁を狙ったが、左翼手・矢野の好守備に阻止され、悔しさをあらわにした。連続試合安打を歴代3位タイの「31」に伸ばし、左打者としては単独1位、パ記録「32」に王手をかけた。敗色濃厚となった6、8回にも気持ちを切らすことなくともに右前打。打ち出の小づちのごとく、2戦連続となる今季20度目の猛打賞をマークした。

 数々の偉人の記録を塗り替える27歳。記録を続けている31試合での打率は・457と驚異的な数字で今季打率は・387に上昇した。今季139安打は年間237安打ペース。阪神・マートンが10年にマークしたプロ野球記録214安打をはるかに超えるペースだ。指揮官は「神様、仏様、稲尾様って言葉があるけど、神様、仏様、秋山様になっちゃうのかな」と驚きを隠せない。

 チームは今季初の4連敗を喫し「次の対戦もあるので、やられた映像や記憶を残したくない。どういう展開でも集中して打席に入りたい」と表情を引き締めた。チームの勝利を追い求める姿勢があるからこそ、安打は生まれ続けている。高橋慶彦(広島)が持つ33試合連続安打のプロ野球記録まであと2試合。偉大な記録に肩を並べ、追い抜く日はすぐそこまで近づいている。
 (神田 佑)

 ≪歴代3位タイ≫秋山(西)が46年野口二(阪急)と並ぶ歴代3位タイの31試合連続安打。79年高橋慶(広)のプロ野球記録33試合連続まであと2試合、71年長池(阪急)のパ・リーグ記録32試合連続まではあと1試合に迫った。また、左打ちでは76年張本(巨)、77年福本(阪急)の30試合を抜く最長記録となった。この日は2試合連続の3安打猛打賞。期間中の秋山は打率.457、59安打で猛打賞は10度。31試合以上の連続安打4人の中では打率は長池の.424、安打、猛打賞は高橋慶の57安打、6度をいずれも上回る充実ぶりだ。なお、79年高橋慶は最終打率.304でリーグ4位、71年長池は.317で4位、46年野口二は.298で9位と3人とも首位打者は手にしていない。

 ◆野口二郎 兄、弟もプロ野球選手で「野口4兄弟」の次男。二刀流で活躍した。39年にセネターズに入団。旧大洋時代の42年に40勝で最多勝に輝くなど通算237勝。外野手でもプレーし、46年の31試合連続安打の際には投手としても13試合に登板した。89年殿堂入り。

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