金子“因縁”ナゴヤDで今季初白星 逆転CSへ「可能性0じゃない」

[ 2015年6月7日 07:05 ]

<中・オ>7回無失点で今季初勝利を挙げ、ファンの声援に応える金子

交流戦 オリックス4-0中日

(6月6日 ナゴヤD)
 チームの勝利を喜んでいたオリックス・金子だが、表情が一瞬で引き締まった。開幕から59試合目での初勝利。「もう少し早く勝ちたかった」と本音が漏れた。すでにチームは5位楽天とも6ゲーム差の最下位。遅ればせながら、は肌で感じていた。

 内容も昨年と比べるとまだまだだ。直球の制球も甘く、7回で9安打を浴びた。ただ、福良監督代行は「本調子じゃないけど(0点に抑えた)そこらへんはさすが」と、多彩な変化球と経験でカバーした。4回には3連打で1死満塁とされるが、藤井をフォークで二ゴロ併殺。直後の5回に味方が4点を先制して、波に乗れた。

 昨年10月に森脇監督から指名されていた開幕投手は、手術を受けた右肘のリハビリで間に合わなかった。そこから約2カ月後。今季初登板となった5月23日のロッテ戦で敗れて、チームは借金14。その10日後に森脇監督の休養が発表された。「何と言っていいか分からない。開幕から、そこにいたかった」。責任を痛感したが、今は前を向くしかなかった。

 13年の開幕戦は、オープン戦登板なしのぶっつけ本番で臨んだ。森脇監督のサプライズ指名。「あそこで投げると思っていなくて、任せてくれて、期待に応えないといけないと思った」。その試合から新たな引き出しを増やし、進化した。今こそ、その力を発揮するとき。「あきらめるわけにはいかない。可能性はゼロじゃない」。チームは逆転でのCS進出を目標に掲げており、そのために腕を振る覚悟だ。

 昨年のFA交渉で中日に断りを入れると、白井文吾オーナーから「あの程度の選手」と揶揄された。そんな因縁のナゴヤドームでの復帰星。「復帰戦はひどかったので、これから取り戻していきたい」。エースとともにオリックスも逆襲を始める。

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