梅野 巨人戦1000敗阻止!菅野撃ち3打点&盗塁も刺した

[ 2015年4月4日 05:30 ]

<巨・神>8回1死一塁、梅野は適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神4―2巨人

(4月3日 東京D)
 梅ちゃんが、千両役者になった。阪神は今季初の伝統の一戦となった巨人戦(東京ドーム)に4―2で快勝した。7番・梅野隆太郎捕手(23)が打っては適時二塁打2本で3打点。守っても2回に亀井が企図した二盗を阻止し、盗塁阻止率10割をキープするなど攻守に躍動した。ライバルに先勝して、このカードの通算1000敗を阻止し、単独首位に返り咲いた。

 頂点に立つチームには必ずと言っていいほど名捕手がいるという。そして今年の猛虎にも頼れる扇の要がいる。梅野だ。「1点でも多く取って、1点でも少なく抑えて、やりがいを感じてやりたい。一戦一戦が大事なので、目の前の試合を全力で臨みたい」。1メートル73と小柄な体をフル回転して攻守に躍動した男は、敵地のヒーローインタビューで、がい歌を上げた。

 「とにかくボールに食らいついて行こうと思っていました。(配球を)読んでいたわけではないですね。反応でうまく打つことができたと思う」

 バットで存在感を示した。1点リードの4回2死一、二塁。カウント2―2から菅野が投じた決め球は、外角低めのボールゾーンへと落ちる138キロのカットボールだった。なりふり構わない。体勢を崩しながら、執念で食らいついた。右翼線2点二塁打を放ち、試合の流れをたぐり寄せた。

 「すごく(球が)速い投手なので、自分のタイミングで来た球を打とうと思っていた」

 1本で打ち止めではない。1点差に迫られた8回1死一塁では相手3番手・マシソンと対峙(たいじ)。その初球は内角低め149キロ直球を腰を引きながら見逃した。気持ちが引いていたわけではない。タイミングを測っていた。続く2球目、外角高め152キロ直球を右中間へはじき返した。勝利を決定づける適時二塁打。先発・メッセンジャーを強力援護した。

 守備でも魅せた。2回1死一塁。フルカウントからスタートを切った俊足の走者・亀井に対して「梅ちゃんバズーカ」を発動した。ストライク送球で刺し、三振ゲッツーに仕留めた。今季ここまで盗塁企図3に対し、3盗塁刺。実に盗塁阻止率10割を誇る。加えて和田監督が「コース、高低が使えていたね」と話したようにリード面でも日進月歩の成長を見せている。この日はショートバウンドもすべてストップ。強肩、頭脳、鉄壁の守備。捕手に必要な要素をすべて駆使し、メッセンジャーの粘投を引き出した。

 「正捕手」として臨む2年目。悔しさも、成長の糧にしている。1日のヤクルト戦(神宮)。それまでフル出場を続けていたが、9回に呉昇桓が投入されると、藤井にマスクを譲った。「悔しかったですけど、チームが勝つためなので」。その経験もまた、梅野の血となり、肉となった。右方向への2安打は打撃向上の兆し。そしてこの日、9回のマスクを任されたのは、成長の証だ。

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2015年4月4日のニュース