メッセ今年もGキラー8回2失点 「2キロ」体重増はエースの自覚

[ 2015年4月4日 08:00 ]

<巨・神>3回1死一塁、井端(左)を二併殺打に打ち取ったメッセンジャー

セ・リーグ 阪神4―2巨人

(4月3日 東京D)
 崩れそうで、崩れない。今年も頼りになる“Gキラー”だ。阪神先発のメッセンジャーが巨人打線の前で粘り腰を見せた。

 「チームが先に点を取ってくれたのでね。楽に投げられた。リードしている状態は本当にリラックスできるから」

 立ち上がりは苦しんだ。3回まで毎回走者を背負うと、2点を先制した直後の4回は連打と四球で無死満塁。制球が定まらず、甘く入ったボールを痛打される自身にいらだちをあらわにする場面もあった。

 それでも、乱れない。「とにかく深呼吸することを心がけた」と気持ちを落ち着かせると、村田を直球で二ゴロ併殺。その後も連続四球で再び満塁のピンチを背負いながら、菅野を力で二飛に打ち取り、併殺の間の1失点。5回も無死三塁から井端の遊ゴロで1点差に詰めよられながら、6回からの3イニングは9人で料理する完全投球を披露し、8回7安打2失点と先発の役割を果たした。

 「体重」のフレーズを耳にするたびに、助っ人右腕は顔をしかめた。来日時から明らかなオーバーウエートが心配された。キャンプ序盤も投球ではなく、たるんだおなかに注目が集まった。記者から体重の質問が飛んでも「2キロだけ重くなっただけ」と多くを語らなかった。自主トレの失敗か?いや、真意は違った。

 「夏の暑い時期には体重が落ちてしまうので、例年より少し増やしてきた。日本の夏を経験してきて考えたこと。あとは日本シリーズでもう一度自分の状態を上げていくため。シーズンに2度、ピークを作るために体重を増やしたんだ」

 投手にとってつらい夏、そして秋の頂上決戦へ―。昨年、惜しくも日本一を逃した悔しさが根底にはある。エースの自覚からくる体重増だった。

 「自分の1勝というよりも、チームが勝てたことが大きいね。巨人に勝てたこともチームとして大きいよね」

 太って何が悪い!と言わんばかりの力投で背番号54が“満腹”の今季初勝利を手にした。

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