最速144キロ左腕 プロへ“勝負の年” スポニチ大会組み合わせ決定

[ 2015年2月10日 05:30 ]

新日鉄住金かずさマジックの加藤

 社会人野球の第70回JABA東京スポニチ大会(3月9日開幕)の組み合わせが9日、決まった。昨年都市対抗で準優勝の富士重工や日本選手権準優勝のセガサミーなど16チームが参加。昨秋ドラフト候補に挙げられながらもケガなどで残留した新日鉄住金かずさマジックの左腕・加藤貴之投手(22)は、真のエースとして1年を通じてのフル回転を誓った。

【日程】

 覚悟を決めた左腕が、勝負の年に臨む。「今年は誰が見てもエースだ、と言ってもらえるようになりたい」。加藤=写真=は言葉に力を込めた。

 拓大紅陵(千葉)では投手だったが、基礎から鍛え直すというチーム方針で入社後1年間は内野手に転向。2年目から投手に戻った。鋭い腕の振りから繰り出す最速144キロを武器に、昨年はドラフトの上位候補に浮上。しかし「(相手に)研究され始め、考えすぎてフォームがバラバラになった」。立て直そうと投げ込んだことで、同夏に左肘を痛めた。

 腕を振るだけでも肘は悲鳴を上げた。ケガとの闘いが続き、連覇を狙った日本選手権出場を逃した。初めて日本代表入りした9月のアジア大会(韓国・仁川)終了後、「まだ会社に貢献していない」と残留を決断。そこから意識が変わった。トレーナーに自らアドバイスを聞くなど積極的な姿勢も芽生え、「腕の振りがより強くなった」と手応えもつかんでいる。

 プロは小学校からの夢。スポニチ大会を皮切りに1年間、大黒柱として結果を出せば、扉は大きく開かれる。「凄く気合が入っているので、早く投げたい」。苦渋の決断が間違っていなかったことを証明する舞台が迫っている。

 ◆加藤 貴之(かとう・たかゆき)1992年(平4)6月3日、千葉県南房総市生まれの22歳。小2から野球を始める。白浜中を経て、拓大紅陵では3年夏の千葉大会準優勝が最高成績。社会人では3年目の13年に都市対抗4強、日本選手権優勝に貢献。1メートル82、83キロ。左投げ左打ち。

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2015年2月10日のニュース