原監督命名「高木ボール」 ドラ3右腕バットへし折った

[ 2015年2月10日 05:30 ]

フリー打撃に登板した高木勇(左)にバットを折られる藤村

 公約通りの快投で開幕1軍を猛アピールした。巨人のドラフト3位・高木勇(三菱重工名古屋)が、初のフリー打撃に登板。自慢の「カットボール」で翻弄(ほんろう)し、「プロで(自分より)長くやっている人に投げられた。その場に立てたことがうれしかった」と目を細めた。

 対戦したのは、ともに開幕1軍を目指す松本哲と藤村。計42球を投げ、安打性の打球はわずかに3本だけだった。捕手を務めた加藤に「バット、へし折ってやれ!」とマウンドに送り出されると、最後の2球では直球で藤村のバットを連続で折った。松本哲は「新人としては堂々としたマウンドさばきでした」と雰囲気を感じ取り、藤村には「先っぽです」と言わしめた。

 セールスポイントは、社会人4年目に習得した大きく横に滑るカットボール。同球種を代名詞とした投手では、メジャー歴代最多の652セーブを挙げた元ヤンキースの守護神リベラが挙がるが、高木勇は同球種にしては曲がりが大きいのが特徴だ。ただし、スライダーのように曲がりながら落ちるわけでもなく、原監督は「あれは独特」と表現。そして、「高木ボールと呼ばれるようになるんじゃないか」と命名した。

 毎年のようにドラフト候補に挙がり「6度目の正直」で巨人入り。社会人時代は工場で米ボーイング社の旅客機787の主翼部品の検査を担当していた。「プロの選手として野球をできることが幸せです」とキャンプ初日からブルペン入りを続け、この日、首脳陣に好印象を植え付けた。

 見届けた斎藤投手コーチは「真っすぐも変化球も切れる。フォークはブルペンよりも落ちていた。そういう意味で実戦向き」。中継ぎの開幕1軍を久保や笠原、高木京、同じく新人の戸根(日大)らと争うが「(開幕1軍の力は)十分にある」と合格点を与えた。次回は13日の紅白戦で実戦デビュー。「高木ボールと呼ばれるように頑張ります」。25歳のオールドルーキーは、着実に階段を駆け上がっている。

 ▼中日・加藤光教スコアラー 安定感があった。すぐに(1軍で)使えそう。

 ▼阪神・嶋田章弘スコアラー(戸根を含めた)2人とも真っすぐも良かったし、コントロールも良かった。

 ≪高木 勇人(たかぎ・はやと)≫

 ☆生まれ 1989年(平元)7月13日、三重県生まれの25歳。

 ☆球歴 小4から野球を始め、中学は軟式野球。海星では甲子園出場経験なし。卒業後は三菱重工名古屋で7年間プレーし、14年ドラフト3位で入団。

 ☆サイズ 1メートル78、88キロ。足は28センチ。右投げ右打ち。

 ☆球種 直球、カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、シュート。

 ☆日課 黒豆を食べること。社会人時代に佐伯功監督の薦めで食べ続け、約25キロの増量に成功した。春季キャンプにも大量に持参している。

 ☆座右の銘 塞翁(さいおう)が馬。空腹が最高のスパイス。

 ☆好きなテレビ番組 アメトーーク!。録画して繰り返し見ることもある。

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