西岡 イメチェン宣言 長打狙う恐怖の1番 真弓&今岡に続く

[ 2014年2月4日 05:30 ]

フリー打撃で快音を響かせる西岡

 阪神・西岡剛内野手(29)が沖縄・宜野座キャンプ第1クール3日目の3日、宜野座村野球場でのフリー打撃で、48スイング中4本の柵越えに外野の間を抜く快打も連発し、シーズンでの長打増加を予告した。かつて猛虎がリーグ優勝したシーズンには85年真弓明信氏、03年今岡誠氏(ともに野球評論家)ら一発を秘めた1番打者が存在した。くしくも同じ背番号7。9年ぶりの奪冠へ、西岡がイメージチェンジを図る。

 昨季までとは明らかに打球の伸びが違う。西岡の打球は雨がやんで澄み切った空気を切り裂き、外野芝の上で次々と弾んだ。圧巻だったのは右打席での23スイング。4本のアーチを左翼席にぶち込んだ。

 両打ちだが本来、右打ちのため右打席の方がパワーがあるはず。ただ、昨季放った4本塁打のうち、右打席では意外に9月26日DeNA戦(甲子園)でソトから打った1本のみ。このオフ、左右の打席でバランスよく打ち込み、体も絞ってきた成果が確実に現出し始めている。

 「今年は長打が増えると思います。このキャンプでは去年より(長打を)意識してやっている」

 より遠くに飛ばせる1番打者として、思い浮かぶのは真弓と今岡の両氏だろう。真弓氏は85年に34本塁打、今岡氏は03年に当時のセ・リーグ記録となる7本の先頭打者本塁打をマークし、ともにリーグ優勝に大きく貢献した。05年以来遠ざかっている美酒へ、西岡が口にした「長打量産」は、虎党にとって嬉しい限り。一方で、西岡自身は冷静な目もあわせ持つ。

 「自分がホームランバッターではないことだけ間違わないように」

 キャンプもまだ3日目が終わっただけで和田監督の頭には、さまざまな打順構想が存在するはず。西岡自身も「まだ何番を打つとか決まったわけではない」と話す。1番か、3番か、それとも…座る位置が変われば打撃も変わる。それでも「強い打球を打つ」という信念だけは変わらない。

 「ホームでもビジターでも(初回に長打が出れば)有利になる」

 特に、敵地では先攻なだけに本塁打でなくとも西岡のバット1本で「無死二塁」や「無死三塁」を形成できれば、一瞬にして得点機が出来上がる。理想とする「2番・大和と2人で1点」の可能性も高くなり後続にグッと勢いを与えられる。

 5日間ある第1クールの中日だったこともあり、午後3時には球場を後にしたが、宿舎に戻った後も室内練習場で打ち込んだ。キャンプイン前日の1月31日に「(打撃は)完ぺきや」と話していたとおり順調に時間を過ごしている。長打あり、快足ありの「ニュー西岡」がいれば、猛虎に怖いものはない。

 ≪阪神強打の1番≫

 ★真弓明信 85年、1番で先発出場した116試合で初回先頭打者本塁打6本を含む34本、84打点の打率・324と、クリーンアップに匹敵する成績をマーク。日本シリーズでは全試合1番で2本塁打の打率・360。チームは初の日本一になった。なお阪神で打った初回先頭打者本塁打38本はセ・リーグ記録。通算41本は福本豊(阪急)の43本に次ぐ歴代2位。

 ★今岡誠 02年から1番に定着し、03年は115試合で先発出場して12本塁打、72打点の打率・342。初回先頭打者本塁打7本は中村勝広、真弓の6本を抜くチーム新記録。シーズン打率は・340でチーム10年ぶりの首位打者にも輝き、18年ぶりのリーグVに貢献した。

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