ノッカー松井に選手ズッコケた “爆笑”空振りありホームランも

[ 2014年2月4日 05:30 ]

ノッカーを務めた松井氏は空振りや当たり損ないに苦笑い。外野陣は吉本新喜劇顔負けの?ズッコケを見せる

 空振りあり、チョロあり、ホームランあり…。巨人の宮崎キャンプで臨時コーチを務める松井秀喜氏(39)が3日、爆笑のノッカーデビューを飾った。外野の守備練習でノッカーとして約1時間、220スイングしたが、打ち損じが目につくなど悪戦苦闘で、外野手全員がずっこける場面も。監督、コーチ業にノックは必須科目。日米通算507本塁打のスラッガーが引退後最初の試練に直面した。

 高橋由も、長野も、矢野も、そして新外国人のアンダーソンまでも、「吉本新喜劇」ばりにずっこけた。打ち損じが続いていた松井コーチの初ノック。101スイング目にファウルチップし、ついにスタンドからも笑い声が…。そして、力んだ松井コーチの102スイング目が空振りに終わると外野手全員が一斉に転倒した。

 「いつ以来なのかは全く覚えてないですね。ノックを左で打ったことがないので、昔を思い出して右で打ったのですが、駄目でしたね」

 何度も「あぁ~」「ごめんごめん」と甲高い声を響かせた松井コーチ。2連続ファウルチップには自虐気味にバットを放り投げ、芯に当たりすぎた打球が外野手のはるか後方のフェンスを直撃すると「NO、NO、NO!!」と悲鳴。生涯初と言っても過言ではない本格ノック。この日のために新調してきたノックバットも途中で折ってしまった。1時間、220スイングを終えたところで「代打」を送られて村田打撃コーチと交代した。

 「芯が普通のバットよりだいぶ先だから、普通の感覚で打つと全部詰まってしまう。これも一つの技術ですよね」。同時間帯に内野で投内連係プレー中の選手をスライスしたミスショットが襲うのを避けるため、利き腕ではあるものの、小学3年時までの右打ちで臨んだ不利もあった。時には両手を広げて「ヘイ、ノッカー」とヤジって沸かせた高橋由も「うまくはなかったですね。でも自分からすれば、よく右でできるな、という感じ」と気遣った。

 それでも将来、監督の道を歩むには、ノックは避けて通れない必須技術だ。今キャンプでもDeNA・中畑監督、西武・伊原監督らが腕を振るっている。ただ、誰もが最初は悪戦苦闘する。原監督も野手総合コーチとして初入閣した98年の秋季キャンプで、初ノックに挑んだ。最初の相手は、当時、フリー打撃中に二塁を守っていた松井コーチ。ここでは無難にこなしたが、後の外野ノックでは納得のいく当たりが出ず、見かねた弘田澄男コーチ(現・四国アイランドリーグplus高知監督)が「外野へ打つ場合、トスを上げるのは右手。内野は左手。外野ノックのときはその方が勢いがつくんだ」と助言したほどだった。それが監督就任後には強い打球でノックの雨嵐を浴びせている。松井コーチの初ノックの様子を伝え聞いた原監督は「上手だったらしいね」と周囲の笑いを誘い、「バッティングとノックは共通しないということ」と続けた。

 現役時代に響かせた快音を、ノックバットからも再び。名将となるため、ゴジラの最初の「宿題」がはっきりと見えた。

 ▼巨人・大西外野守備走塁コーチ(松井コーチと並び交互に外野ノックを行い)トスに慣れるまでは難しい。右で打ってるし仕方ない。左で打ったらスタンド越えちゃうんじゃないの。

 ▼亀井 右でもさすがのビッグパワーです。

 ▼松本哲 何とも言えませんが、あまり(バットに)当たってはなかったように思います。

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