楽天 マー君に残留要請へ…入札上限20億円では“適正ではない”

[ 2013年12月8日 05:30 ]

今後が注目される楽天の田中

 楽天の立花陽三球団社長(42)は7日、新ポスティング・システム(入札制度)を利用してのメジャー移籍の可能性がある田中将大投手(25)について、球団内で意見集約を行い、残留要請する意向を示した。本人の意思を尊重したいとしながらも、新制度の入札上限額である2000万ドル(約20億6000万円)は適正価格ではないと判断。早ければ、8日にも行われる直接会談。田中のメジャーへの熱意がどこまで球団に伝わるかが焦点となる。

 新制度案が日米間で大筋合意して以来、個人的な意見として田中の引き留めを図る考えを示してきた立花社長が初めて球団としての方針を示した。仙台市内の球団事務所で安部井寛スカウト部部長らと協議。出した答えは残留要請だった。

 「球団でミーティングを行った。残ってほしいとお願いすることの方が、プライオリティー(優先順位)が高い」

 問題となったのは、新制度案で設定された2000万ドルの入札上限額。過去に旧制度で移籍した松坂(メッツからFA)やダルビッシュ(レンジャーズ)は落札額が5000万ドルを超え、今季24勝0敗1セーブの圧倒的な成績を残した田中に関しては、1億ドル(約103億円)に達するとの米報道もあった。立花社長は、米球界関係者や球界外の第三者にも上限がない場合の相場を探り「これまでもフェアバリュー(適正価格)と言ってきたが、意見を聞いても(上限の)20億円よりも高いということだった」と方針決定の理由を明かした。

 その一方で、チームを球団初の日本一に導いた最大の功労者であるエースの夢をかなえさせてあげたいとの意見が球団内にあるのも事実。「田中とのミーティングが最重要。本人の意思を確認して、(メジャー移籍の)意識があるなら“行かせてあげたい”という声は(球団内に)ベースとしてある」。球団の残留要請に対し、田中のメジャー移籍への思いが上回るかが最大の焦点となる。

 直接会談については「制度が決まらないうちに話しても、田中がかわいそう」と話した。立花社長は10日にウインターミーティング参加のため渡米する予定で、同日午前中まで仙台に滞在する。日米間で正式合意に達すれば、すぐに会談を行う考えだ。これまで沈黙を守り続ける田中がどんな回答をするのか注目される。

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2013年12月8日のニュース