中田賢いただき!ソフトバンク、条件面で他球団圧倒

[ 2013年11月7日 09:38 ]

FA宣言した中日の中田賢

 ソフトバンクは6日、国内フリーエージェント(FA)を行使することを宣言した中日・中田賢一投手(31)の獲得に名乗りを挙げることを正式決定した。先発投手陣の補強は今オフの最重要課題。金銭と人的補償の不要なCランクとみられる中田賢を巡り阪神、ヤクルトを交えた争奪戦も予想されるが条件面だけではなく、準地元・北九州市出身の地の利もあり、入団は濃厚となった。

 狙った獲物は必ずいただく。秋山政権初のBクラスに甘んじたソフトバンクが、最大の補強ポイントである先発投手の補強第一弾に踏み切る。

 今季はシーズン中盤までは中継ぎ陣の踏ん張りで何とか体裁を整えたが、最終的には先発投手陣の崩壊が響いて失速。規定投球回に達した投手が摂津だけの現状に、球団幹部は「投手は何人いても多すぎることはない。特に、先発完投型の投手は喉から手が出るほど欲しい」と打ち明けた。

 中田賢はそのウィークポイントを十分補える存在だ。プロ9年で61勝51敗と経験は豊富。かつては、落合監督(当時)から「暴れ馬」と評されるほど馬力がある反面、制球には難があった。だが、ここ数年はその課題も解消しつつある。昨季は最後まで先発ローテーションを守って7勝。6年ぶりの2桁勝利を目指した今季も開幕直後は先発ローテーション入りを果たした。その後はチームの台所事情で中継ぎに回ったものの球団はその潜在能力に注目し、水面下で調査を続けてきた。

 中日からは今季の年俸7000万円から1年8000万円をベースにした変動制の3年契約を提示されたもようだが、後藤芳光新社長が掲げた「青天井補強」の方針もあり、金銭面で上回ることは確実。中田賢は人的、金銭ともに補償が必要ないCランクとみられ、同一リーグの阪神、ヤクルトも興味を示すが、全ての条件で他球団を圧倒することから、ソフトバンク入りは濃厚とみられる。

 ◆中田 賢一(なかた・けんいち)1982年(昭57)5月11日、福岡県生まれの31歳。北九州市大では4年春に39年ぶりのリーグVに貢献し、最多勝、特別賞(リーグ通算300奪三振)、ベストナイン、MVPを獲得。04年ドラフト2位で中日入団。球団としては98年の川上以来となる新人での開幕ローテーション入りを果たすと8勝をマークし、07年には14勝を挙げた。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

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2013年11月7日のニュース