楽天、片岡獲り!創設10周年V2へ積極補強

[ 2013年11月7日 08:00 ]

報道陣の取材に応対する西武の片岡

 球団初の日本一に輝いた楽天が今オフ、国内フリーエージェント(FA)権を取得した西武・片岡治大内野手(30)の獲得に乗り出すことが6日、分かった。かつて4年連続で盗塁王を獲得した俊足に加え、本職の二塁だけでなく、遊撃、三塁も守れる堅実な守備が売りで、内野陣の強化にはうってつけの存在。片岡は7日にもFA宣言する。創設10周年となる来季のV2に向け、楽天は積極的な補強に動く。

 常勝軍団の結成へ、どうしても欲しい人材。それが片岡だ。星野監督は3日に球団初の日本一を達成した後も「1勝の差(4勝3敗)で勝った。まだまだ巨人より力は劣る」と話していた。関係者によると、球団は片岡の動向に注目し、FA権を行使した際は、迅速に獲得に向けて動けるように準備。複数年契約も検討しているという。

 片岡は「走攻守」の3拍子そろった内野手として05年に西武入団。03年まで在籍していた松井(現楽天)の背番号7を引き継ぎ1年目から1軍に定着した。07年から4年連続で盗塁王、08年は最 多安打を獲得して日本一に貢 献。09年にはWBC日本代表にも選ばれ、世界一連覇の一員となった。ここ3年は故障に泣かされているが、今季は終盤に復帰すると、最後の19試合は打率・342をマークし、完全復活を予感させた。陽気なキャラクターと甘いマスクでファンからも絶大な人気を誇る。

 楽天にとって片岡は魅力的な存在だ。今季は松井と名手・藤田が鉄壁の二遊間を形成したが、星野監督は両者のコンディションに気を使いながら定期的に休養を与えていた。特に指揮官は「うちはショートの(松井)稼頭央が故障するとチーム力が一気に落ちる」と嘆くなど「ポスト松井」と言える若手も不在。来年10月で39歳となる松井の負担を減らすことも、今オフのチーム編成の大きな課題となっている。

 片岡は本職は二塁だが、遊撃でも通算89試合に出場。また、09年WBCでは韓国との決勝戦を含め3試合で三塁を守った経験もある。正三塁手として活躍したマギーは去就が流動的。片岡が加われば、二塁、三塁、遊撃の3ポジションを藤田、松井と3人でコンディションを見ながら起用することも可能となる。またチームには銀次、西田、三好ら守備が未熟な若手内野手も多いだけに「守備の教材」にもなれる。

 来季は球団創設10周年。まだまだ発展途上のチームで、実力が拮抗(きっこう)するパ・リーグで連覇を達成することは容易ではなく、就任4年目を迎える指揮官も常々「補強に“終わり”はない」と強調している。西武は片岡の「宣言残留」を認める方針だが、楽天も「熱意」では負けていない。交渉解禁を待って、アタックをかけることになる。

 ◆片岡 治大(かたおか・やすゆき)1983年(昭58)2月17日、千葉県生まれの30歳。宇都宮学園(現文星芸大付)から東京ガスを経て、04年ドラフト3巡目で西武入団。2年目の06年から二塁手としてレギュラーに定着。07~10年に4年連続盗塁王。08年には最多安打を記録して日本一に貢献した。09年WBC日本代表。1メートル76、82キロ。右投げ右打ち。

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2013年11月7日のニュース