ダル 三振狙って奪った!切り札は150キロ高速スプリット 

[ 2013年6月4日 06:00 ]

<レンジャーズ・ロイヤルズ>2回無死満塁でフランコアの中飛を、中堅手ジェントリーが本塁へ好返球して三走をアウトにし、雄叫びを上げるレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ3―1ロイヤルズ

(6月2日 アーリントン)
 これぞ、エースの粘り。レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は2日(日本時間3日)、ロイヤルズ戦に先発し、7回を3安打無失点と好投した。本調子ではない中でピンチを背負ったが、要所では三振を奪い、7試合ぶりの零封。救援投手が同点に追いつかれたためにハーラートップタイの8勝目は逃したが、チームの勝利に大きく貢献した。

 温めていたカードを切る時が来た。1―0の4回2死二、三塁。ダルビッシュは8番コッタラスに対し、1ボール2ストライクから93マイル(約150キロ)の高速スプリットを投じた。空振り三振。グラブを叩き、小さくガッツポーズした。

 「勝負どころで、いい球がいった。欲しいところで取れる三振は凄くいいと思っている」。最も得意とするスライダーが、この日は不安定。コッタラスからは2回にスライダーで空振り三振を奪ったが、ワンバウンドで振り逃げとなった。この場面は空振りを奪える上に、制球しやすい球種を選択した。

 6個を新たに奪い、今季111個。2位に20個の差をつける両リーグ断トツの奪三振数には「三振を取る競技ではない」と無関心だが、試合運びの手段としては、決して無関心ではない。ダルビッシュの持論はこうだ。

 「例えば1死一、三塁や二、三塁で打席にハミルトンやプホルス(いずれもエンゼルス)がいたら、取れたらいいなとは思う。三振の方が(イレギュラーなど)何も起こらないし、チームも盛り上がるから(味方に)点が入る確率が高まる。2ストライクから狙いにいくこともあるが、それはアウトにできる確率が高いから」

 勝つ確率を上げるための三振に、人一倍こだわる。まさにコッタラスの場面はそれだった。

 6試合連続で本塁打を許していたが、被安打3は全て単打。2回の無死満塁も味方の好守などでしのいだ。防御率は3・03から2・77となり、リーグ9位に浮上した。「粘ることができて、意味のある0点だったかなと思います」。8回に2番手が同点とされ、8勝目は消えた。しかし、チームは勝利。ダルビッシュの表情はすがすがしかった。

 ▼レ軍、ロン・ワシントン監督 ダルビッシュは常に調子がいいわけではない。それでも1―0で7回まで踏ん張り、できる限りのことをしてくれた。

続きを表示

2013年6月4日のニュース