登場曲「あとひとつ」のマー君　“あと３つ”が遠かった…

＜楽・中＞９回１失点と粘りの投球を見せた楽天・田中

交流戦 楽天２－１中日

（6月3日 Ｋスタ宮城）
　鬼の形相で仁王立ちした。今季初完封、開幕から無傷の８連勝を目前にした９回に落とし穴が待っていた。

　「２４個のアウトは積み重ねたけど、最後の３つのアウトを取る難しさを学ばせてもらった。でも、こんなことが言えるのもチームが勝ってくれたから。本当に感謝です」

　人気音楽グループ「ファンキーモンキーベイビーズ」が前日の東京ドーム公演で解散。ヒット曲「あとひとつ」のＰＶに自らも出演した楽天・田中は、特別にこの日の登場曲に同曲を選んだ。しかし、「あと３つ」が遠かった。９回先頭の森野から３連打を浴びて１点を失い、なお無死満塁。一気に崩れてもおかしくない場面だったが、ここから「底力」を発揮した。１球ごとに雄叫びを上げる気合満点の投球で、藤井、堂上直をスプリットで連続空振り三振。最後は小田を一ゴロに抑え、逆転は許さなかった。

　５月２８日の阪神戦（甲子園）に続いて２試合連続で白星を逃した右腕だが、サヨナラの瞬間は三塁ベンチでガッツポーズ。チームは貯金を今季最多の７に伸ばし、交流戦の単独首位を堅守した。星野監督は「もったいない。田中だからあのまま終わってほしかったけど、そんなに甘くないというところでしょう」。次こそは８勝目をつかむ。