主力にカツ!初の1番“起爆剤”中井 ハツラツV打 G再奪首

[ 2013年6月4日 06:00 ]

<西・巨>4回2死二塁、勝ち越しの右前適時打を放つ巨人・中井(投手・菊池)

交流戦 巨人7-3西武

(6月3日 西武D)
 一夜にして奪回だ。巨人は3日、西武戦でプロ初の1番に起用された中井大介内野手(23)が決勝とダメ押しとなる2打席連続適時打。5連敗中のチームの「起爆剤」として投入されたリードオフマンが導火線となり、打線は全員安打とつながった。また、先発の杉内俊哉投手(32)は6回3失点で、交流戦単独トップとなる23勝目。阪神が敗れたため、巨人は再びセ・リーグ首位に返り咲いた。

 5連敗中の総得点は8。低調な主力への叱咤(しった)の意味も込めて、原監督に1番に抜てきされたのが中井だった。寺内の中前適時打で同点に追い付いた4回、なお2死二塁。フルカウントから菊池のカーブが高めに入ってきた。「前の打席に変化球で打ち取られていたので。変化球で来ると思っていた」。狙い通りに引きつけて右前へ。勝ち越しの適時打に、塁上からベンチへ右手を上げた。

 「1番・一塁、中井」。試合前のアナウンスから場内がどよめいた。「僕も驚いたし、相手にとっては奇襲みたいなもの。走力が人よりあるわけじゃない。1番として出塁するにはヒットを打つしかなかった」。6回にもダメ押しの7点目となる左前適時打。23歳の1番に引っ張られ、打線は5月4日の広島戦(東京ドーム)以来の先発全員安打で13安打7点と活性化した。

 「連敗はしていたが、僕自身が気負う必要もないというか。いい意味で開き直って、できることをやろうと思った」。連敗阻止を呼んだ赤色のバットは日本ハム・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)から譲り受けたもの。5月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)で原監督から「彼の打撃は素晴らしい。ベンチからでもしっかり見ておけ」と指導され、陽岱鋼のもとへ出向きバットを1本もらった。23日の楽天戦(Kスタ宮城)で初めて打席で握ると、4年ぶりの本塁打となる1号3ランが飛び出た。「ラッキーアイテムですね」と以降も使い続け、15打数6安打の打率4割。3月のWBCで台湾代表をけん引したアジア屈指の1番打者のように躍動した。

 「若い選手が打ってくれた。(中井の)4点目が大きかった。レギュラークラスにカツを入れたのが中井であり、寺内だった」と原監督。入団後は、大田とともに春、秋のキャンプを問わず、マンツーマン指導を施してきた秘蔵っ子だ。次代のスターとして、08年まで坂本が背負っていた背番号61を託され4年目。この活躍を機に、一気に開花したい。

 ◆中井 大介(なかい・だいすけ)1989年(平元)11月27日、三重県生まれの23歳。宇治山田商では3年夏に投手兼外野手で甲子園出場。高校通算28本塁打。07年高校生ドラフト3巡目で巨人入団。通算成績は60試合で打率.242、2本塁打、14打点。1メートル82、84キロ。右投げ右打ち。年俸840万円。

続きを表示

この記事のフォト

2013年6月4日のニュース