西野4勝目!ロッテ5月負けなし7連勝で首位と0・5差

[ 2013年5月9日 06:00 ]

<ロ・西>ハーラートップの4勝目を上げた西野(右)は、お立ち台で井口と笑顔を見せる

プロ野球 パ・リーグ ロッテ8-4西武

(5月8日 QVC)
 その言葉には、何より実感がこもっていた。ロッテ・西野の本音だった。「うれしいっスよね。去年までは(試合に)出る可能性すらゼロでしたから」

 4回2死まで1人の走者も許さなかった。7回に4安打を許して3点を失ったが、7三振を奪う力投。昨年の今頃は、まだ育成選手の身だった。それが、エース成瀬と並ぶチームトップの4勝目。22歳のシンデレラボーイは「自分でもびっくりです」と笑った。

 本拠地・QVCマリンで初先発。「凄い緊張したけど、真っすぐが走っていたんで、押せるとこまで押そうと思った」。試合後には初のお立ち台、そして地元ファンの大歓声が待っていた。

 08年育成ドラフト5位で入団。母校の富山・新湊入学時は体の線が細く、直球のスピードも120キロ台だった。当時の野球部監督の手操(てぐり)能人野球部長(53)は「黙々と走って努力する子だった。3年間で体重が10キロぐらい増えた」。恩師には大学進学も勧められたが、西野は「絶対にプロに行く!」と頑として譲らなかった。才能はいつ、どんな形で花開くか分からない。

 試合開始直前には、斉藤投手コーチが38・3度の高熱で急きょ帰宅するアクシデントも。そんなベンチ裏のドタバタも西野は意に介することなく、「そういえば、いつの間にかいなかったですね」とひょうひょうと話した。チームは5月全勝。5年ぶりの7連勝は、1日のオリックス戦(京セラドーム)での西野の白星から始まった。西野が先発陣に刺激を与え、7試合連続で先発投手に白星がつく安定した投手力を形成している。これで4月を終えた時点で首位・西武と4・5あったゲーム差は0・5に。進撃のロッテ。西野こそチームスローガン「翔破」の象徴で、9日も勝てばついに首位に浮上する。

 ▼ロッテ・川崎投手コーチ(斉藤投手コーチが発熱で帰宅し)練習中は大丈夫だったんだけど…。負けたら大変なことになっていた。

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2013年5月9日のニュース