陽耀勲 弟・岱鋼にやられた「リズムが狂った」

[ 2012年10月18日 06:00 ]

<日・ソ>7回無死、弟・陽岱鋼(右)に中前打を打たれ、苦笑いするソフトバンクの兄・陽耀勲

パ・リーグCSファイナルS第1戦 ソフトバンク2―3日本ハム

(10月17日 札幌D)
 兄は悔しさをぐっとこらえて言った。「ナイスバッティングでした…」。2点リードの7回。ソフトバンク・陽耀勲(ヤン・ヤオシュン)は先頭の弟・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)に許した中前打から一気に崩れた。1死二塁から糸井に137キロスライダーを右翼席に運ばれ、6回1/3を2失点で降板。CS史上初の兄弟対決は後悔の念だけが残った。

 「調子はいいと思った。ただ弟に出塁され、リズムが狂った。糸井さんには高めに浮いた」

 6回まで1安打無失点と完璧だった。初回、先頭打者の弟を内角137キロスライダーで三ゴロ。その後も最速152キロ直球を軸に波に乗った。それだけに秋山監督も「あの一発は頭になかった。よかっただけに代えづらかった」と唇をかんだ。

 「弟と対戦することが目標だった」。高卒2年目の07年に1軍に定着した弟と違い、同じ06年にプロ入り後、度重なる故障で伸び悩んだ。コーチ不在の自主トレは1カ月で1日しか練習せず、繁華街を飲み歩いた年もあった。ただ、昨年、通訳を外されてから自立。今季はプロ初完封も果たし「幼い頃、キャッチボールをしてくれた。僕の憧れだった」と弟が語る潜在能力が一気に目覚めた。

 今季、初めて相まみえた兄弟対決は、これで計4試合で8打数3安打で被打率・375。もつれれば中4日で第6戦に先発する可能性がある。兄は5度目の対戦を信じて、チームの勝利を祈り続ける。

 ▼日本ハム・陽岱鋼 大事な試合での兄ちゃんとの3打席は全て記憶に残っている。凄いボールがあるなと感じた。

 ▼ソフトバンク・森福(同点の7回2死一、三塁で代打二岡に決勝打を浴びる)球自体は悪くない。でもヒットになったということは甘かったということ。

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