宮国に槙原の道…高卒2年目、阪神戦で初登板初勝利だ

[ 2012年4月3日 06:00 ]

フィジカルトレーニングで汗を流す巨人・宮国

 完全男ロードを歩め!2年目の巨人の宮国椋丞(りょうすけ)投手(19)が、8日の阪神戦(甲子園)で1軍デビューすることが決定的になった。6人目の先発として抜てきされたもので、川口投手総合コーチは「あいつは10代の投球ではないから。心配ない」と太鼓判を押した。

 宮国はこの日、川崎市のジャイアンツ球場で1軍投手練習に参加。遠征先の広島入りし「打たれて当たり前。打たれても、試合をつくれるように投げたい」と目標を設定した。1軍初登板が甲子園での伝統の一戦。阪神ファンの熱狂的な応援の中でプロデビューするが「まだ感じたことがないので分からないです」と冷静に受け止めた。

 10代での初登板初勝利となれば、巨人では83年4月16日の阪神戦(甲子園)で完封勝利した槙原寛己氏(48、本紙評論家)以来29年ぶり。宮国が達成すれば対戦相手、球場、高卒2年目と全て一緒だ。同年12勝で新人王を獲得した槙原氏は94年5月18日の広島戦(福岡ドーム)で完全試合を達成して球史にその名を刻んだ。昨季の新人王・沢村も、初勝利は甲子園での阪神戦と縁起はいい。

 宮国にとっても阪神戦の印象は悪くない。オープン戦初登板が地元・沖縄で行われた2月19日の阪神戦で3回をパーフェクト。「プラスはプラスだけど抑えたのは3イニングだけ。自信になるわけでもない」と謙遜したものの、オープン戦ながら初勝利もついた。

 「小さいころから甲子園に行きたいと夢見てきた。本当は高校でも行きたかった」。糸満では3年夏の県大会準優勝が最高成績。「巨人・宮国椋丞」として憧れのマウンドに立つ期待の星は、17日の20歳の誕生日を前に偉大な先輩に続く。

 ◆槙原氏のプロ初勝利VTR 初回に2死一、二塁といきなりのピンチで5番・岡田を迎えたが、遊ゴロで切り抜けた。打っても6回2死からチーム初安打となる右前打。最速148キロの直球と王助監督直伝のカーブを駆使し、9回を無失点で投げ切る。10回表に平田の適時打で1―0と勝ち越し。その裏2死一塁と一発逆転の場面で主砲・掛布を迎えたが、直球で左飛に抑えて史上21人目の初登板初完封を達成した。体を震わせ「信じられません。勝ったんですね。本当に」と興奮を隠せなかった。

 ▼槙原寛己氏 僕も(10代での初登板初勝利は自分自身以来だと)気付いていました。当時は力いっぱい投げるのが投手だと思っていたけれど、宮国君は非常にまとまったピッチャー。僕も白星を挙げたことで物凄い自信になった。彼にとっても勝ち取った先発の座。いい結果を残して、自信につなげてほしい。

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2012年4月3日のニュース