貴乃花親方 11日甲子園で楽天―西武戦始球式

[ 2012年4月3日 06:00 ]

3月10日のJリーグ・G大阪―神戸戦でキックインを行った貴乃花親方

 大相撲の貴乃花親方(39=元横綱)が楽天が11日に甲子園で主催する西武戦で始球式を務めることが2日、分かった。3日にも正式発表される。現在は相撲協会理事として角界の人気回復とアピールのために尽力しており、今回は自身初となるプロ野球の始球式。球団創設8年目で初の優勝を目指す星野楽天を強烈に後押しする。

 今度は野球界がターゲットだ。楽天の島田亨オーナーから直々に始球式のオファーを受けた貴乃花親方は本紙の取材に対して「私が大阪の春場所を担当していることもあり、関西を盛り上げることができればと思って(オファーを)お受けしました」とコメントした。

 貴乃花親方は現役時代に第65代横綱として幕内通算701勝で優勝22回。90年代には兄の若花田(現タレント)とともに「若貴フィーバー」を起こして、相撲界をけん引した。03年の引退後は父の先代二子山親方(故人、元大関・貴ノ花)の部屋を引き継ぎ、現在は日本相撲協会理事として角界の人気向上や東日本大震災の復興支援などに尽力している。

 大阪では2月下旬に2年ぶりに開催した春場所(昨年は八百長問題で中止)をアピールするため、なんばグランド花月で行われた吉本新喜劇に出演。関係者を驚かせたが、NGKから聖地・甲子園へ。全ては角界の発展と人気回復のため。自身初のプロ野球の始球式という大役を務めることになった。

 楽天の星野監督と貴乃花親方は、過去にテレビ番組で共演するなど面識はある。チームは球団創設8年目にして初めて本拠地のKスタ宮城で開幕したが、ロッテにまさかの3連敗。3日からは昨季日本一のソフトバンクを本拠地に迎える。スタートでつまずいたチームにとって甲子園で行う10日からの西武2連戦は正念場になりそう。「縁」を大事にする貴乃花親方は「私が投げることでチーム(楽天)に勢いが出ればと思います」と話し、全身全霊を込めてミットに投げ込む。

 星野監督にとって甲子園は阪神監督時代の本拠地。すでに関西だけでなく、地元・岡山の知人や関係者にも3000枚以上の入場チケットを売っており、当日は多くのファンがスタンドを埋める見込みだ。大観衆に見守られて投じる一球は、相撲界はもちろん、球団初のリーグ優勝を狙う星野楽天にも勇気とパワーを与えるはずだ。

 ≪貴のファンサービス≫

 ☆相撲教室 昨年8月に貴乃花部屋で小学生ら約30人の子供を対象とした相撲教室を開催。経験者には貴乃花親方自らが上半身裸となって胸を出し、ぶつかり稽古も行った。稽古後には参加者全員にちゃんこが振る舞われた。

 ☆満員御礼プラン 2月に東日本大震災から1年となる今年3月11日に初日を迎える春場所について、親方自身が自らチケットを自宅に届けるプランを披露。2月9日には大阪府サッカー協会を訪れ、総額135万6000円分のチケットを自らの手で届けた。

 ☆吉本新喜劇出演 2月25日に大阪のなんばグランド花月で「吉本新喜劇」に出演。ベテランの池乃めだからと共演し、おなじみのずっこけるシーンもこなすなど、体を張って大相撲春場所の開催をアピールした。

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2012年4月3日のニュース