内海チーム初完封!152球熱投で連敗も止めた

[ 2011年5月29日 06:00 ]

<ロ・巨>9回、ロッテの福浦を中飛に抑え完封勝利を挙げた巨人・内海は、ガッツポーズ

交流戦 巨人2-0ロッテ

(5月28日 QVC)
 152球の熱投でチームの連敗を4で止めた。巨人の内海哲也投手(29)は28日、ロッテ戦で4安打完封勝利。打線はこの日も2得点と低調ながら、気迫の投球でハーラー単独トップの6勝目を挙げた。12球団で唯一開幕から完投がなかったが、左腕エースがチーム35試合目でワースト記録に終止符を打った。
【試合結果】

 ゲームセットの瞬間、両手を夜空に高々と突き上げた。内海がプロ8年目で自己最多の152球での完封勝利。「報道でワースト記録を嫌でも目にしていた。まさか自分がという感じ。ずっと完投という気持ちを忘れかけていた。完封は気持ちいい」と声を弾ませた。

 誰も完投を想像できなかった。3回まで64球。QVCマリンは試合開始から強い雨が降り、疲労もたまりやすい悪条件だった。だが、川口投手総合コーチが「完投どころかいつ代えるか考えていたが、あれよあれよと進んでいた」と振り返るように、回を重ねるごとに球は切れを増した。6回以降許した安打は1本のみ。チェンジアップ頼みの姿はない。8回に伊志嶺を142キロの直球で空振り三振に仕留めた場面が象徴していた。

 昨年は7月以降に6試合連続KO。「みんなに迷惑をかけて申し訳ない」と、登板間は下半身強化でひたすら走り込んだが、フォームのバランスを崩す悪循環で直球は130キロ台前半まで落ち込んだ。そこで、今年は体調に合わせて走る量を減らすなど工夫。昨オフから体幹を鍛えるトレーニングを取り入れた効果も出ている。「球の速度が上がり、切れも出るようになる。疲れにくくなった」と手応えを口にしていたが、この日の登板後も「疲れ?全く感じていない。(球数は)110球ぐらいだと思った」と涼しい表情だった。

 開幕投手の東野、新人の沢村が1勝と苦しむ中でリーグ単独トップの6勝目。打線が低調な中、登板前日に「ゼロに抑えれば勝てる」と言い切っての有言実行に、お立ち台では「おまえがエースだ!」との声援が飛んだ。「たまたま僕が勝っているだけ。みんな良い投球しているので続けてほしい」。チームの連敗も4でストップ。心優しき左腕の横顔は頼もしかった。

 ≪巨人で150球以上の完封は9年ぶり≫巨人は内海が完封勝利を挙げ、開幕からの連続試合無完投はチームワーストの34試合で止まった。この日は10三振を奪い、投球数も自己最多の152球。2桁奪三振は15度目、完封は7度目になるが、2桁奪三振で完封は、06年8月26日阪神戦、07年7月27日広島戦に次ぎ自身3度目となった。また、交流戦では08年6月16日の楽天戦以来2度目の完封。左腕で交流戦2完封以上は杉内(ソ=3完封)と内海だけだ。なお、巨人で150球以上の完封は02年8月29日の広島戦で入来(154球)がマークして以来9年ぶりの力投だった。

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