江藤采配ズバリ!2連続スクイズ決めた 慶大V王手

[ 2011年5月29日 06:00 ]

<早大・慶大>6回、金田のスクイズで生還する慶大の辰巳(捕手、地引)

東京六大学野球リーグ最終週第1日 慶大6―1早大

(5月28日 神宮)
 早慶戦の1回戦が行われ、首位の慶大は6回に2連続スクイズを決めるなど江藤省三監督(69)の采配がさえ、6―1で早大に快勝。優勝に王手をかけた。29日の2回戦も勝てば2季ぶり33度目の優勝が決まる。
【試合結果 勝敗表】

 2連続スクイズに見事な継投策。まさに江藤監督の描いたシナリオ通りの快勝だった。「サインは打てなのに打たないからスクイズしただけですよ」。指揮官は試合の明暗を分けた6回のスクイズをおとぼけ気味に振り返った。

 まずは投手起用。1―1の6回2死三塁の場面で、そこまでわずか2安打しか許していなかったエースの竹内大を迷いもなく代えた。「山形の調子が良かったから。ベンチを出るときには決めてました」。今季まだ4試合目の登板の山形は、4番の杉山を一飛に抑え起用に応えた。

 直後の6回裏。途中出場の鈴木裕の適時打で3―1と勝ち越し。さらに1死二、三塁の1ボール2ストライクから辰巳のスリーバントスクイズ、続く金田の2ランスクイズで3点をもぎ取り試合を決めた。「選手が序盤、硬かったからね」。重圧で動きが重いと見るや自らのタクトで選手を自在に動かした。

 就任2年目。「最初は“試合中にサインを変えることもあるよ”と話したら学生はビックリしてた」という指揮官だが、プロの経験を生かした江藤野球は確実に浸透している。37季ぶりの完全優勝へ向け、慶大に死角は見あたらない。

 ≪伊藤4の0 打率トップから陥落≫今秋のドラフト候補で打撃3部門のトップに立っていた慶大・伊藤は、視察に訪れた阪神・沼沢正二球団本部長らの前で、4打数無安打。打率を・410に下げ、打率・418で全日程を終えている立大・那賀に首位の座を明け渡した。「初回に抑えられて尾を引いてしまいましたね」。29日の2回戦で日程が終了した場合、4打数2安打で那賀を1厘上回り3冠王を獲得できる見込み。だが伊藤は「数字のことは言わないでくださいよ」と苦笑いしながら球場を後にした。

 <早大 5位象徴する敗戦…>98年春以来の5位が確定した今季を象徴する敗戦となった。先発・大野健が3回に暴投で先制点を許すと、同点とした6回には安打と2四球で満塁のピンチを招いて降板。2番手・有原もあっさり勝ち越しを許すなど、優勝が懸かった慶大との勢いの差が出た。土生主将は「防げる失点がまだまだある」と厳しい表情。岡村猛監督は「あす(29日)は早大の意地を見せたい」と必死に前を向いていた。

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