イチロー活躍でマリナーズ5割!8年ぶり首位見えた

[ 2011年5月29日 06:00 ]

<マリナーズ・ヤンキース>ヤンキース戦の6回、遊ゴロで勝ち越し打点を挙げたマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ4-3ヤンキース

(5月27日 シアトル)
 28日にも首位だ。マリナーズのイチロー外野手(37)が27日(日本時間28日)、ヤンキース戦で5回に左翼線二塁打を放ち反撃機を演出すると、同点に追いついた直後の6回1死一、三塁から遊ゴロで勝ち越しの打点を挙げた。チームは勝率5割に復帰。28日(同29日)のヤンキース戦に勝ち、首位レンジャーズ、2位エンゼルスがともに敗れれば、開幕から50試合以上消化時点としては8年ぶりの地区首位に立つ。
【試合結果 順位表】

 今季初のヤ軍戦でしぶとく逆転勝ちし、マ軍は最大で7もあった借金を完済した。

 「この時期の5割は久しぶりですからね。何年ぶりですかね、記憶にない」

 そう笑ったイチロー。開幕直後を除くと、09年以来2シーズンぶりとなる勝率5割。その大きな1勝をイチローが呼び込んだ。

 3点を追う5回無死一塁。2ストライクと追い込まれた後、外角高めのボール球を左翼線へ運んで二塁打とした。3試合14打席ぶりの安打で好機を広げ、2得点につなげた。そして6回。同点に追いついた直後の1死一、三塁では遊ゴロ。勢いのない打球だったため、遊撃のジーターは一塁送球が精いっぱい。この間に決勝点が入った。「まず野手の位置を確認して、いくつかの可能性をイメージして(の打席)ですね」。前進守備を敷いた一、三塁ではなく、二遊間へゴロを打つ。打球の強弱については「そんなことは(狙って)できない」としたが、確実に得点できる形をイチローは選択した。5月はここまで打率・227と調子は上がらない。チーム50試合消化時点での安打数59は、08年と並ぶメジャー自己ワースト。その中で、最低限の役割を果たした。

 この日のチーム4得点は二遊間への内野ゴロ4本で奪った。エリク・ウェッジ監督は「確実に三塁まで走者を送れば得点は見いだせる。引っかければ点は入らない」と中堅方向への打撃に胸を張った。守備では中堅手グティエレスが4回に本塁打性の打球をフェンスいっぱいでもぎ取った。8回2死二塁では投手のけん制で走者を刺した。最近11戦で9勝。攻守に1点にこだわる指揮官の野球が浸透してきている。

 首位レンジャーズとは0・5ゲーム差。28日のヤ軍戦に勝利し、レ軍と2位エンゼルスが、ともに敗れれば、地区首位に浮上する。チームが50試合以上消化時点での奪首となれば、03年8月26日以来8年ぶりだ。「結果を出すことで自信をつける段階。それを重ねていくしかない」と話してきたイチロー。28日のマ軍はサイ・ヤング賞右腕のヘルナンデスが先発する。昨年までにはなかった、純粋に勝利を求めて戦える充実感をイチローは今、感じている。

 ≪イチロー ヒット1本増!記録訂正≫マリナーズは試合前に、22日パドレス戦でのイチローの2回の打席結果が、遊ゴロから遊撃内野安打に訂正されたと発表した。2回2死一、三塁でイチローのゴロを捕球した遊撃手が二塁へ送球したが、セーフとなり、野選が記録されていた。同戦後にマ軍が抗議したことを受け、大リーグの記録再審委員会が検討。26日に変更が認められたという。イチローの安打数が1本増え、球団広報は「一塁に送球したとしても完全にセーフのタイミング。適正な判断をしてもらえたと思う」と話した。

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2011年5月29日のニュース