稲葉「最高です」延長11回サヨナラ打!

[ 2011年5月29日 06:00 ]

<日・広>11回、サヨナラ打を放った日本ハムの稲葉(中央)は、もみくちゃにされて大喜び

交流戦 日本ハム1-0広島

(5月28日 札幌D)
 17年目の読みが凝縮したサヨナラ打だ。両軍無得点で迎えた延長11回2死一、二塁。日本ハムの稲葉は、広島の守護神サファテの直球だけに狙いを絞った。

 「初球の155キロをファウルしてバットを短く持ち直した」。1ボール1ストライクからの3球目、154キロ速球をコンパクトに振り抜いた打球は中堅・丸の頭上へ。「最高です」。今季チーム初、自身6本目のサヨナラ打でチームの連続無得点イニングを25で止めた。

 「3時間半を超えて新しい延長回に入らない」という新ルールもドラマを演出した。10回、広島の攻撃が始まった時点でプレーボールから3時間18分が経過。梨田監督は10回決着も想定し、武田久を投入した。ところが守護神は11球で3者凡退に片付けると、自軍の攻撃も9球で終了。3時間27分と「3分の猶予」を残し11回に突入した。稲葉はプラス思考に転じた。「ひょっとしたら打席が回ってくるかも。6回の三振が頭に残っていたんで…。だから“おいしい場面が来た”って言い聞かせた」。中田が敬遠された6回1死満塁は空振り三振。「吉川が頑張っていたのに」。今季初登板も7回途中まで無失点に抑えていた左腕に主将として頭を下げた。

 自らが主催する「Aiプロジェクト」を通じ、北海道1300の小学校にリレー用バトンをプレゼントするプロジェクトは620校を超えた。この日は札幌市内の小学生が興じた「運動会の日」。稲葉の思いが、大切にするファンにも通じた。

 ▼日本ハム・梨田監督 引き分けで仕方ないかなと思ったけど、守りだけは固めた。ずっとマンジュウ(ゼロ)が続いていたので1点入って良かった。あす(29日)はマエケン(前田健)だしね。

 ≪日本ハム 今季延長戦で負けなし≫延長11回に稲葉(日)がサヨナラ中越え安打。自身サヨナラ安打は昨年5月8日楽天戦の延長10回、この日と同じ1―0サヨナラ安打を放って以来通算6度目だ。チームで2本の1―0サヨナラ安打を記録したのは52年6月22日、53年9月19日大映戦の浅原直人、56年9月30日大映戦、同年10月4日西鉄戦の岩本義行に次いで55年ぶり3人目になる。今季日本ハムのサヨナラ勝ちは初めてだが、延長戦は2勝1分け。昨年6月2日広島戦から△○○△○○△○○の6勝3分けと9試合負けがない。

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2011年5月29日のニュース