松坂「ショック」DL入り…右肘はやっぱり重症

[ 2011年5月20日 06:00 ]

松坂は16日の試合後の会見で表情がさえなかった

 右肘を故障したレッドソックスの松坂大輔投手(30)が18日(日本時間19日)、15日間の故障者リスト(DL)入りした。球団からは「右肘の内側側副靱帯(じんたい)と屈筋群の異常」と診断が発表され、2週間後の再検査まで投球禁止措置が取られた。球団では完治するまで実戦復帰させない方針で、7月12日の球宴までのメジャー復帰は、限りなく厳しい見通しとなった。松坂のDL入りはメジャー5年目で6度目。

 磁気共鳴画像装置(MRI)による右肘の検査から一夜。重い診断を受け止めた松坂の口からは、厳しい現実を表す言葉が並んだ。

 「何か異常はあるとは分かっていましたけど。それほど時間が必要なほど状態が悪いという自覚はなかった。最初に聞いたときはショックでした」

 16日のオリオールズ戦は5回途中5失点で降板。4月29日のマリナーズ戦でも右肘の違和感で緊急降板していたが「違和感はもっと前からあった。アナハイム(4月23日のエンゼルス戦)で投げた後、ちょっと回復が遅いという自覚はあった」と松坂は明かした。

 過去2年は2桁勝利に届かず今季も先発5番手という立場が、自身に無理を強いる結果を招いたともいえる。メジャー復帰に関しては「2週間(投球禁止)と言われた以上、それ以上短くなることはない。最短の道で復帰できるように最善を尽くすだけ。気持ちはもう前を向いています」と話したが現実には厳しい道のりが待ち受ける。

 球団は2週間後の再検査まで投球を禁じた。再検査で少しでも異常が見つかれば投球禁止はさらに長引く。投球再開後も、距離や球数を厳しく制限して徐々に慣らしていくプランで、テリー・フランコナ監督も「3、4週間ノースローならマウンドに戻るのに同じ期間がかかる。メジャーのマウンドにはすぐには戻れない」とした。長期戦線離脱は必至で、復帰は最短でも球宴以降となる。

 今後は再検査までボストンに残ってリハビリを続ける。仮に投球再開となれば、09年に右肩の不調でDL入りした際と同様、キャンプ地のフロリダ州で調整する可能性もあるが、今はまず地道にリハビリを続けて患部の回復を待つしかない。

 ▼横浜南共済病院・山田勝久名誉院長(前横浜チームドクター) 靱帯に損傷がある場合、軽症でも1カ月は必要で症状次第では数カ月かかる。オリオールズ戦の投球もテレビで見たが、手投げで肘に負担がかかっていた。靱帯は疲労や酷使によって悪化していくもの。今回の登板だけの結果ではない。筋肉(屈筋群)の異常も同様だ。今は治療法が発達しており、最悪のケースでない限り手術の必要はない。ただ、炎症をとり、周囲の筋肉を鍛え、その筋肉が体になじむ過程には時間がかかる。年間を通じて不安なく投げるためには、1年程度のスパンで強化メニューを組む必要がある。

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2011年5月20日のニュース