涌井年俸は2億5300万円 「15%アップが相当」と調停委

[ 2011年1月28日 15:22 ]

西武の涌井秀章投手の年俸調停で、記者会見する年俸調停委員長の熊崎勝彦コミッショナー顧問

 プロ野球の年俸調停委員会(委員長・熊崎勝彦コミッショナー顧問)は28日、西武との契約更改交渉が難航していた涌井秀章投手(24)の今季年俸を2億5300万円にしたと発表した。

 涌井は調停で2億7000万円を希望し、球団は現状維持となる2億2000万円プラス出来高払いを提示していた。調停は2001年の日本ハム時代の下柳剛投手(阪神)以来7人目で、前年より3300万円増は過去最高のアップ額となった。調停額が提示額を上回るのは3人目。

 調停委は涌井が昨季14勝(8敗)で5年連続2桁勝利を挙げたことに加え、今季もエースとして安定した成績が期待できる点などを評価し、「15%アップが相当」と結論付けた。昨年8月後半から1勝しかできなかったが、熊崎顧問は「(年俸は)年間を通じての成績に対する対価という基本概念を大事にしないといけない」と説明した。

 主張が大筋で認められた涌井は代理人を通じて「自分としてもしっかり思いを伝えられたと思うので調停を申請して良かった」とコメントした。

 ▼西武・涌井秀章投手の話 調停を申請して良かった。今後の投手陣の評価や査定に良い影響を与えられることになれば、なお意義がある。気持ちの整理もできた。球団と一緒にことしこそは日本一を目指し、キャンプから一生懸命頑張りたい。

 ▼涌井の代理人を務める大友良浩弁護士の話 希望額には満たないが、ある程度主張は理解してもらった。調停委員の構成も変わり、野球の経験者も入って、従前よりいい制度。

 ▼西武・前田康介球団本部長の話 これから優勝を目指して一緒になって頑張っていきたい。委員の方々が何度も審議してもらって出た金額を、そのまま受ける。

 ▼年俸調停委員長の熊崎勝彦コミッショナー顧問の話 15%アップで3人の委員が自然と一致した。昨季前半の活躍がなかったら優勝争いに加わらなかっただろう。(年俸は)年間を通じての成績に対する対価という基本概念は大事にしないといけない。

 ▼年俸調停委員の堀内恒夫前巨人監督の話 プロ野球は3年働くのが実績の基本。確かに(一昨年より)成績は落ちているが、先発ローテーションを5年間守って10以上勝ってきた。金額的にも適切だと信じて疑わない。

 ▼年俸調停委員の石塚久弁護士の話 堀内さんの、野球に対する卓越した意見が非常に参考になった。適正で妥当な金額をはじき出すのが難しかった。疲れたが、名調停だと思っている。

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