広島

[ 2010年12月16日 06:00 ]

会社員として第2の人生を歩むことを決めた広島の山本

 新たな世界に進んでも、目指すべきところは変わらない。

 「野球をしているときも人からの信用を得るということを目標にしてやってきた。人と接する職業ですし、自分が成長して、信用される人間になりたいと思います」

 山本翔は9年間のプロ野球生活を終え、来年1月からは外資系保険会社「アリコジャパン」に就職する。プロの世界で得た貴重な経験、財産をもとに力強く第2の人生に歩を進める。戦力外通告を受けた際、球団からはスタッフとしての打診も受けた。人間性を認められての話だったが、熟慮の末、丁重にそれを辞退することを決めた。

 「中途半端な気持ちで野球に接するのは、周囲の方にも失礼になる。ケジメを付けたかった」。知人の紹介で同社への就職を決意。現在はパソコン教室に通い、ビジネスマナーを学ぶなど準備段階として、多忙な日々を過ごしている。

 9年間で1軍経験なし。悔いがないと言えばウソになる。「嫁も子供もいますから。これまでは支えてもらったのでこれからは自分の力で支えたい」。優しく実直な人柄で誰からも愛された男は、さわやかに笑った。

続きを表示

2010年12月16日のニュース