打線つながったヤクルト「交流戦で仕切り直し」

[ 2010年5月10日 06:00 ]

<ヤクルト・中日>1回表(ヤ)1死一塁、デントナは右越え7号2ランを放つ

 【ヤクルト9―0中日】ヤクルトの連敗を6で止めたのは初回の積極采配だった。先頭の福地が中前打で出塁すると、高田監督が動く。無死一塁で2番・田中は初球にバントの構えを見せた。当然、相手の一塁手、三塁手はバントに備えて前進。ボール球を見送ると、2球目に「バスターエンドラン」のサインが出た。流し打ちをしやすい外角ではなく内角への直球だったが、田中は「食らいつく形でした」と意地のバットコントロールで一、二塁間へ打球を転がす。シフトの裏をかく右前打で一気に無死一、三塁。続く青木の遊ゴロで福地が生還して先制点を奪うと、デントナ、ガイエルの今季初となる連弾が飛び出す。初回の4点で試合の主導権を握った。

 高田監督は「最近バントしても点が入らなかったし、積極的に動いていこうと思った」と振り返る。2年連続盗塁王の福地が4月7日に左ふくらはぎ肉離れで戦線を離れてから足を絡めた攻撃が激減。5月2日の横浜戦(神宮)で復帰するまでの19試合で22度バントを試みたが、その後得点したケースは5度。得点率・227という効率の悪い作戦と化していただけに、バスターエンドランの一手が効いた。
 6連敗中は初回の得点は1度もなく、先制点を奪った試合もなかった。デントナ、ガイエルが不振に陥ったことで開幕時の打順から10パターンの変更を繰り返したが、この中日3連戦で開幕時のオーダーに回帰。初回の4点でつながり生まれ、試合前までリーグ最下位のチーム打率・243の打線が7試合ぶりの2ケタ安打で9点を挙げた。田中は「交流戦で仕切り直しです」と前を向く。ヤクルトの昨季交流戦は15勝9敗で2位。借金10を背負う暗闇に光明が差す初回の攻撃だった。

 ▼ヤクルトガイエル(初回に10号ソロ)打った瞬間、入ってくれと祈った。フェンスに当たって返ってきたら正直、泣いていたかもしれない。
 ▼ヤクルトデントナ(4月21日以来の7号2ラン)いいリズム、アプローチ、スイングができた。新外国人選手が来ようが来るまいが、自分のプレーをするだけ。

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2010年5月10日のニュース